大統領選とFOMC、相場急変に警戒=今週の米株式市場

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Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米株式市場は今週、大統領選と連邦公開市場委員会(FOMC)という2大イベントを迎える。

5日の大統領選を巡っては、トランプ前大統領の勝利を見越した「トランプトレード」を背景にドル高、米国債下落、ビットコイン上昇といった値動きも見られるが、世論調査ではトランプ氏とハリス副大統領の接戦が続いており、一部の市場関係者は大統領選でどのような結果が出てもボラティリティーが上昇すると見込んでいる。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド最高投資責任者は「どちらが勝利しても短期的にリスクがありそうだ」と指摘。トランプ氏が勝利すれば「事実で売る」のパターンでトランプトレードに利益確定の売りが出る一方、ハリス氏が勝てばトランプトレードが一斉に巻き戻されるリスクがあると述べた。

大統領選と同時に議会選も実施されるため、議会選の結果を受けて政治が中・長期的に市場にどう影響するか、投資家の間でさまざまな思惑が浮上するとみられる。

例えば、トランプ氏が規制緩和を進めるとの見方が強まれば、銀行が恩恵を受ける可能性があるが、関税が引き上げられれば国内で事業を展開する中小企業の追い風になる一方、市場全体のボラティリティーが高まるリスクがある。

アナリストによると、ハリス氏が勝利した場合、クリーンエネルギー政策を積極的に進めるとの見方で太陽光発電など再生可能エネルギー関連銘柄が値上がりすることが考えられる。

また、市場関係者は大接戦で直ちに勝敗が確定しない場合や、一方の政党が選挙結果に異議を唱えた場合は、ボラティリティーが高まると警戒している。

ダコタ・ウエルスのシニア・ポートフォリオ・マネージャー、ロバート・パブリク氏は「市場はトランプ政権下で好調だった。ハリス氏の下でも好調な結果を出し得る。必要なのは透明性だ」と述べた。

<FOMCもリスク要因>

6─7日のFOMCも株価のリスク要因だ。

LSEGのデータによると、フェデラルファンド金利(FF)金利先物市場は25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想しており、多くの投資家は、強い経済指標を受けて将来的に利下げ停止を検討する可能性があるかなど、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長の今後の政策見通しに注目するとみられる。

経済指標の発表値と市場予想値の乖離度を示すシティグループのエコノミックサプライズ指数は4月以来の高水準。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「ここ1週間の指標は利下げの根拠がまだあることを示している」とした上で「たとえ選挙結果が(FOMCまでに)確定しても、先行きは不透明であり、フォワードガイダンスは慎重に示す必要がある」と述べた。