◆11月放送プログラム

・アルテュニアン作曲 トランペット協奏曲
・リムスキー=コルサコフ作曲 交響組曲「シェエラザード」

粗品とトランペット奏者セルゲイ・ナカリャコフさんとの対談もお楽しみに!

◆音楽監修 新井鷗子の演奏レビュー

トランペットの天才少年として、1990年代日本のメディアに盛んに取り上げられたナカリャコフも、今やベテランの47歳。少年時代から、うつむき加減で内なる世界に触れるような彼の演奏スタイルは今も変わらないままだった。金管楽器トランペットで、こんなにも内省的で繊細な表現ができるのかと驚かされる。ウクライナのトランペット奏者ドクシツェルの超絶技巧によって一躍有名になったアルテュニアン作曲のトランペット協奏曲を、華麗にというよりは、深い哀悼の趣で聴かせてくれた。

◆演奏者の略歴


マクシム・エメリャニチェフ(指揮) 
MAXIM EMELYANYCHEV

1988年、ロシア(旧ソピエト連邦)生まれ。ニジニ・ノヴゴロド音楽院で指揮を学んだ後、モスクワ音楽院でロジェストヴェンスキーに師事。12歳で指揮者としてデビューして以来、数々の楽団を指揮し、チェンバロ、ピアノの演奏でも活躍している。
2013年から古楽アンサンブル「イル・ポモ・ドーロ」、2019年からスコットランド室内管それぞれの首席指揮者を務め、2025年にスウェーデン放送響の首席客演指揮者に就任を予定している。これまでにベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトへボウ管、ロンドン・フィル、パリ管、ミュンヘン・フィル、エイジ・オブ・エンライトメント管などを指揮。2023/2024年シーズンには、バイエルン放送響、パーミンガム市響、ケルン放送(WDR)響、南西ドイツ放送(SWR)響、トロント響、フランス放送フィルなどへ初登場しており、2024年8月にはザルツブルク音楽祭でザルツブルク・モーツァルテウム管へ客演した。
オペラでも活躍の場を広げており、チューリヒ歌劇場、英国ロイヤル・オペラ、ジュネーヴ歌劇場などで〈皇帝ティートの慈悲〉や〈フィガロの結婚〉〈魔笛〉などを振るほか、グラインドボーン音楽楽祭で〈リナルド〉などを指揮し、その手腕を発揮している。録音も数多く、J.ディドナートらと録音したへンデルの〈アグリッピーナ〉はグラモフォン賞オペラ部門を受賞した。読響初登場。


セルゲイ・ナカリャコフ
SERGEI NAKARIAKOV 

1977年生まれ。10歳でオーケストラと共演。デビューするや否や各地の新聞や雑誌で「素晴らしいスターの出現」と報じられ、一躍注目を集めた。ピアニストのキーシンやニコライエワと共演し、1991年ザルツブルク音楽祭にデビューして話題を呼んだ。1992年のシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でダヴィドフ特別賞を賞。15歳でテルデック・レーベルと専属契約を結んでCDデビュー。広範なレパートリーを誇り、数々の編曲作品を録音し、多くの賞を受賞。2002年にはドイツのECHOクラシック賞最優秀器楽奏者部門に選ばれた。これまでサンクトペテルブルク・フィル、BBC響、ハンブルク国立歌劇場管などと共演。ヴィトマンら現代作品の初演でも絶賛されている。読響初登場。