泉北高速線が「南海泉北線」に変わります。

南海が泉北高速を吸収合併

 南海電気鉄道と泉北高速鉄道は2024年11月1日、泉北高速鉄道線を2025年4月1日から南海「泉北線」に変更すると発表しました。両社は鉄道事業の合併認可申請を行い、11月1日、国土交通大臣から認可されました。


泉北高速鉄道の車両(画像:写真AC)。

 南海は2014年7月1日、大阪府などから旧大阪府都市開発の株式譲渡を受けて、同社を泉北高速鉄道に改称。2022年4月1日には、泉北高速の全株式を取得し、完全子会社化していました。

 その後、南海は泉北高速の速達性向上や運賃値下げ、駅ナカビジネス拡充などに取り組んできましたが、一方で沿線人口の減少やコロナ禍を通じた生活様式の変化などで、鉄道事業の構造的な需要減は歯止めがかからない状況にあり、また、将来にわたり人手不足となることは確実視されているといいます。

 そうした中、南海が策定した「2050年の企業像」の実現に向けて、持続可能な公共交通の経営の実現や、さらに競争力のある流通センターの確立に向けて経営資源を投入していく事業体制を確立していくことが、最善の方策であるとの判断に至ったと説明します。

 なお、この合併は、南海においては簡易合併であり、泉北高速においては略式合併であるため、いずれも合併契約承認に関する株式総会は開催されません。南海を存続会社とし、泉北高速は解散・消滅します。泉北高速の資産・負債・権利義務一切は、南海が承継する予定です。

 南海の路線となる泉北線は、中百舌鳥〜和泉中央間の14.3km。路線のイメージカラーは黄緑です。駅ナンバリングは、中百舌鳥の現行「SB01」は消滅し、深井〜和泉中央間の「SB02」〜「SB06」は、それぞれ「NK88」〜「NK92」に変わります。

 合併に伴い、南海の駅は100駅から105駅に、営業キロは154.7キロから169.0キロに増えます。

 なお、合併によるダイヤ変更はありません。運賃は、初乗り二度払いの解消など、これまでの沿線の要望に応えられるよう検討を進めるとしています。