(NY時間09:41)(日本時間22:41)
スナップ<SNAP> 11.84(+0.95 +8.73%)

 スナップチャットを運営するスナップ<SNAP>が上昇。引け後に7-9月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。フリーキャッシュフロー(FCF)も予想以上の黒字を計上している。ただ、第4四半期のガイダンスでは売上高見通しが予想を下回った。

 今回の決算は広告事業の見直しがマーケッターに浸透しつつあることを示唆した。同社は動画コンテンツへの注力を強化したことで、スナップチャット・アプリのユーザー数の伸びについても予想を上回った。

 同社はここ数年で広告事業を刷新し、ウェブサイトへの訪問やアプリのダウンロードなど、ユーザーに特定の行動を促すダイレクトレスポンス広告に注力している。これまで同社は、構築・運用コストは安いが収益性の低いブランド認知度広告をターゲットに軸足を置いていた。

 ただ、この方針転換は有望な兆しを見せているが、結果は一貫していない。過去4四半期のうち、2四半期で市場の売上予想を下回っていた。同社はまた、ホリデーシーズンである第4四半期の売上高は予想を下回る見通しを示した。同社は大口顧客からの広告の出稿ペースがこの期間の典型的なものほど活発ではなかったと注意を促した。

 「大企業クライアントからのアッパーファネル広告は、歴史的に第4四半期の需要の重要な構成要素で、この部分についてはここ数四半期、広告ビジネス全体を下回っている」と株主宛の書簡で述べた。

 アナリストは「第3四半期の業績はダイレクト・レスポンス広告事業における堅調な業績を示し、一部の投資家の不安を和らげた。TikTokの売却または禁止の可能性は、来週の大統領選の結果に左右され、間違いなく同社株に短期的に影響を与える重要な要因となる」と述べている。

(7-9月・第3四半期)
・1株利益(調整後):0.08ドル(予想:0.05ドル)
・売上高:13.7億ドル 15%増(予想:13.6億ドル)
  北米:8.58億ドル(予想:8.65億ドル)
  欧州:2.49億ドル(予想:2.39億ドル)
  その他地域:2.66億ドル(予想:2.51億ドル)
・EBITDA(調整後):1.32億ドル(予想:0.91億ドル)
・デイリーアクティブユーザー数:4.43億人(予想:4.41億人)
・1ユーザー単価:3.10ドル(予想:3.08ドル)
・FCF:7200万ドル黒字(予想:4400万ドル黒字)
・従業員数:4800人(予想:4930人)

(10-12月・第4四半期見通し)
・売上高:15.1~15.6億ドル(予想:15.6億ドル)
・EBITDA(調整後):2.10~2.60億ドル(予想:2.33億ドル)
・デイリーアクティブユーザー数:約4.51億人(予想:4.49億人)

(通期見通し)
・調整後営業費用:24.3~25.3億ドル(予想)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美