「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」が行われた大阪松竹座

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 歌舞伎俳優の市川團十郎が26日、大阪・道頓堀の大阪松竹座で「十月大歌舞伎」に出演し、昨年10月31日から2年間にわたる「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」の大千秋楽を迎えた。

 昼の部「雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」では早雲王子、安倍清行、粂寺弾正、鳴神上人、不動明王の5役を熱演。単独の演目「毛抜」でもおなじみの粂寺弾正では「近頃、面目次第もざいません」と愛嬌(あいきょう)のあるセリフと見得(みえ)で盛り上げ、鳴神上人では引っ込みの飛び六方を披露。早雲王子では花道で大きな梯子を使ったダイナミックな立ち回りで喝采を浴びた。

 夜の部「口上」では柿色の裃(かみしも)姿で、歌舞伎界随一の大名跡を13代目として襲名する決意を述べた。「連獅子」は長男・8代目市川新之助と親子共演で勇壮な毛振りを披露した。

 2022年10月31日の東京・歌舞伎座、歌舞伎俳優が勢ぞろいした「顔寄せ手打ち式」で襲名を報告した。続いて團十郎として最初の演目「勧進帳」で弁慶を勤め、富樫役の片岡仁左衛門、義経役の坂東玉三郎との豪華共演が実現。それから2年、この日の大千秋楽で719日、全国各地を巡り、計281回の襲名披露公演を完走した。