来週の株式相場に向けて=衆院選後の“政局流動化”意識の相場に突入か

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 来週の株式市場は、日米選挙を意識する展開となりそうだ。27日投開票の衆院選に関しては「自民・公明与党が過半数ライン巡り攻防」との報道が流れ、過半数割れも意識されるなか市場には一気に緊張感が高まった。

 もし、与党が過半数割れとなった場合、部分連合を含め新たな政権の枠組みを模索することになり、「政局流動化を市場は警戒する状況が続く」(市場関係者)ことになる。株式市場では「選挙は買い」というアノマリー(経験則)が過去半世紀にわたり有効だったが、今回は衆院解散から投開票日直前までの株価上昇パターンが崩れた。非公認組などを引き込んでも与党が過半数を割り込むなら、石破政権の基盤は揺らぎかねない。

 一方、自公与党が過半数を維持したとすれば、いったん相場は反発することもあり得そうだ。しかし、予想外の与党の健闘がない限り、来年夏には参院選があり石破政権の行方を含め政局不安が続く展開が予想される。

 更に、週後半にかけては11月5日と目前に迫った米大統領選へと市場の関心は向かいそうだ。民主党候補のハリス氏と共和党候補のトランプ氏による激戦が続き、直近ではトランプ氏がやや有利ではとの観測もあるが、やはりその結果には不透明感が強い。

 加えて、来週は週末11月1日に米10月雇用統計が予定されるなど注目経済指標が発表されるほか、米テック大手「GAFAM」の決算も明らかになる。日本企業の決算発表も本格化し、30~31日には日銀の金融政策決定会合が開催される。ビッグイベントが相次ぐだけに気の抜けない相場が予想される。

 上記以外のスケジュールでは、海外では29日に米9月JOLTS求人件数、30日に米10月ADP雇用統計、米7~9月期GDP速報値、31日に米9月個人消費支出(PCE)物価指数、中国10月製造業PMI、1日に米10月ISM製造業景況指数が公表される。また、29日にアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、アルファベット<GOOG>、30日にメタ・プラットフォームズ<META>、マイクロソフト<MSFT>、31日にアップル<AAPL>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、1日にエクソン・モービル<XOM>が決算発表を行う。

 国内では、28日に塩野義製薬<4507.T>、日東電工<6988.T>、29日にキーエンス<6861.T>、コマツ<6301.T>、30日にアドバンテスト<6857.T>、日立製作所<6501.T>、31日にレーザーテック<6920.T>、デンソー<6902.T>、1日に野村ホールディングス<8604.T>、三菱商事<8058.T>が決算発表を行う。28日にHmcomm<265A.T>、29日にSapeet<269A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万7400~3万8600円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS