25日の債券市場で、先物中心限月12月限は続伸した。利付国債や入札といった需給イベントがないなかで、米長期金利が時間外取引で低下(債券価格は上昇)し、相場を支援した。

 債券先物は夜間取引で下落した流れを引き継ぐ形で軟調な滑り出しとなったが、下値は堅く切り返した。27日投開票の衆院選を巡っては、自民、公明の与党が過半数を割り込み、政治情勢が不安定化するリスクが意識されている。衆院選後の株価調整シナリオが警戒されるなかで、安全資産と位置付けられる国債に対しては一定の買い需要を集める格好となった。債券先物は午後に一時144円10銭まで上昇した。朝方に総務省が発表した東京都区部の10月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除くコアCPIが前年同月比でプラス1.8%となった。市場予想に対して上振れして着地したものの、円債市場の反応は限定的だった。

 先物12月限は前営業日比10銭高の144円06銭で午前の取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は0.945%と前営業日比で0.005ポイント低下した。

出所:MINKABU PRESS