衆議院議員総選挙(27日投開票)の東京15区(江東区)には、5人が立候補している。無所属の金澤結衣候補(新人)は「民間の当たり前を国政へ」と公約を述べた。

【映像】金澤結衣候補の“刀”で切るポーズ

 東京15区では2代続けて衆議院議員が逮捕され、議席を持っていた自民党が候補者の擁立を見送った中、4月28日に行われた衆議院補欠選挙では過去最多の9人が立候補した「乱戦」となっていた。

―自己紹介を。

 今回無所属で衆議院立候補しました金澤結衣と申します。私は上智大学の理工学部を卒業した後、食品メーカーで商品開発やマーケティングに長年従事していましたが、働く中で雇用の問題に疑問を感じました。今働いている方がキャリアを選ぶのか、それとも子育てを選ぶのか。そういった中で優秀な方が子どもを産んだ後にパートとして戻ってくるのですが、なかなか正社員になれない。実情に見合った給料がもらえていない。その反面、年功序列で働いている方、給料がもらえる方もいるという場面に遭遇しました。

 また、定年退職してシニア採用になる方も実力があるのに見合わない給料しかもらえないことに対して「なんでこんなに頑張っている人が報われないんだろう」と思い、頑張っている人が報われる社会を目指して、29歳の時に政治界隈に入った。そして今まで5年間江東区でずっと活動を続けています。

―金澤さんの公約は。

 まず一番は「民間の当たり前」を国政へ、です。今の政治界隈に足りないのは「私たちと同じ感覚」だと思っています。その中でも今回8つの政策を掲げているのですが、そのうちのメインの3つを紹介させていただきます。まず一つは「政治とお金の透明化」。政治を民間目線で透明化していく。というのも民間企業では1円単位で領収書を扱います。こんなに国民の皆様に厳しくて政治家に甘いんだというのがありますので、政治家も私たちと同じように領収書・収支を公開していくということが必要かと思っています。

 2つ目は「防災と減災」ですね。江東区は河川も非常に多い。私は防災士と上級救命士も持っていまして、今までの知見を生かして、水害対策や都市の皆様の命を守る土地づくりを進めていこうと思っています。

 3つ目は「所得を上げていくこと」。先ほどの政治とお金の問題を払拭しても、将来に皆様が希望を持っていただくことが重要だと思っていますので、所得を上げていく。103万円の壁の見直しでしたりとか、今までのように増税ばかりに頼るのではなく、行財政改革とか議員定数の見直しを行なって「日本に生まれてよかったな」と思ってほしいのです。

―江東区では政治への不信感、信頼回復も必要になってくるが。

 全国で最も政治不信を感じているところだと思っています。なので私は今回無所属になったということが、1つ皆様の政治不信を一緒に解決していこうというところの覚悟として見せられるかと思っています。既存政党ですとなかなか政治と金の問題が解決されないということがあると思っていまして、なので今回もし無所属で皆様と共に勝つことができたら、それは今の政治界隈に大きな一石を投じることができると思っています。

(前回政党に所属して立候補した際との違いは)感じます。でも期待もすごく感じます。それは複雑な心境でもありますが、ありがたい反面、ポスターを貼っていただけるところが増えたり、呼んでもらえる集会が増えたり、こういうしがらみがないということが「活動している私を純粋に応援してくれているんだな」という思いをひしひしと感じる場面がありまして、本当に身の引き締まる思いです。

―所得を上げることと税金については。

 私は増税に頼る財政の仕組みは見直したほうがいいと思っています。だからまず増税はしない。また不合理な軽減税率も撤廃したほうがいいと思っています。民間企業はコストダウン・業務の効率化・デジタル化を進めなければ潰れてしまうが、行政は潰れないので、どんどん上乗せしていっている印象があります。だから現状をしっかりと見直していって、ムダなところはカットしていく。議員定数などもテコ入れしていく必要があると思っています。

―金澤さんにとって「幸せに生きる社会」とはどのようなものか。 

 私が目指すのは「頑張っている人が報われる社会」です。頑張った分だけしっかりと報酬をもらえる。勉強を頑張っている方は、経済状況にかかわらず、しっかりと教育を受けられる。こういった皆様が「明日も楽しみだな」と日本に生まれてよかったなと思えるような日本国を作っていくことが重要だと思っています。活力と誇りのある日本ですね。

 そのためには、所得を上げることが一つの方法だと思っています。やっぱり物価が上昇して、手元にお金がなく将来が不安だという声をよく聞きました。そのため、103万円の年収の壁を見直したり、社会保険や生活保護も含めて人口が増えることを想定して作られた現在の仕組みを見直します。皆様の手元を豊かにしていくということは、本当に重要だと思っています。

 加えて、今の「日本の危機感」も煽っていきたいと思っています。安心・安全というのは当たり前ではないと思っており、私たちはアメリカ・ロシア・中国など核保有国に囲まれています。そのため、自分たちの国は自分たちで守っていくんだと。その中には、命を守るための自衛隊の皆さまを実情に合わせて憲法9条に明記していくことも重要だと思っています。
(ABEMA NEWS)