ウクライナ当局が北朝鮮兵に投降呼びかけ「捕虜は1日3食」ロシア派遣で1人30万円…金正恩総書記が軍事技術など見返り期待か

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ロシアの首都モスクワにある赤の広場で撮影された映像。
映像にはハングルで「北朝鮮将校?」と書かれています。

これは、ウクライナメディアが女性や子供とモスクワ市内を歩いていたとされる北朝鮮の将校の動画が公開されていると報じたものです。

関係者によりますと10月18日、約150人の北朝鮮軍関係者がモスクワに到着。
近郊の医療施設などを視察しているといいます。

親密さを深めているとみられるロシアと北朝鮮。
国際社会が懸念しているのが、ロシアによるウクライナ侵攻を支援するための北朝鮮からの派兵です。

これに対し北朝鮮とロシアは、21日の国連安全保障理事会の場で「根拠のない噂」「恐怖をあおっている」と否定しています。

しかし韓国の国家情報院は23日、「すでに3000人余りの北朝鮮兵がロシアに派遣されている」と報告。
さらに2024年中に合計1万人余りが派遣されるとしています。

アメリカ政府によると、3000人余りの北朝鮮兵は10月初旬から中旬、東部にあるウォンサン付近からロシアのウラジオストクに移動。

周辺の軍事施設で訓練しているとみられています。

訓練後の北朝鮮兵について、アメリカ・カービー大統領補佐官は「北朝鮮は訓練を終えたあとロシア西部に移動し、ウクライナ軍と戦闘を行う可能性がある」と述べています。

韓国メディアは派遣された兵士の主力に“暴風軍団”と呼ばれる特殊部隊が含まれている可能性があると伝えています。

甲南女子大学・鴨下ひろみ准教授:
この特殊部隊は韓国の大統領府を襲撃した事件を起こしたことがある非常に北朝鮮の中でも最精鋭というか強い(部隊)。正規戦やゲリラ戦であれ様々な組み合わせで戦うことができる精鋭部隊なので、かなり手ごわい。

また、北朝鮮が暴風軍団を含めた1万人余りをロシアに派遣するメリットについてはこう分析します。

甲南女子大学・鴨下ひろみ准教授:
ロシアに恩を売ることによってロシアからより高度な核ミサイル技術というものを手にして、さらに核ミサイル開発を進めていこうという狙いが一つ。もう一つはアメリカ大統領選挙を前に国際社会を大きく揺さぶることで、大統領選後アメリカとの交渉を有利に進める狙い。

韓国メディアによると、今回の派遣でロシアから北朝鮮に1人あたり月2000ドル、日本円で30万5000円ほどの見返りがあるといいます。

つまり、1万人が1カ月間派遣された場合、北朝鮮は30億円以上を得ることになります。

一方、ウクライナ側は警戒を強めています。

ウクライナ当局が作成した北朝鮮兵に投降をハングルで呼びかける動画。
食事の配給やかわいい子猫などの映像とともに次のように呼びかけています。

北朝鮮兵に投降を呼びかける動画:
北朝鮮から新たに到着した戦争捕虜を収容するため、近い将来に戦線の多くの部門で捕虜となった最初の北朝鮮占領軍がここに到着します。収容所の捕虜は別途の睡眠空間を備えた。大きくて暖かく明るい部屋に収容されます。収容所の捕虜は一日3食をもらい、献立には肉・新鮮な野菜・パンが含まれます。

さらに動画には、「朝鮮人民軍の兵士に伝えます。プーチン政権を助けるために派遣された皆さん、他国の地で無意味に死ぬ必要はありません。すでに数十万人のロシア軍人が家に帰れない運命に立たされており、皆さんがその道に従う必要はありません!」という文章も添えられていました。