衆議院議員総選挙(27日投開票)の東京15区(江東区)には、5人が立候補している。立憲民主党所属の酒井菜摘候補(当選1回)は、公約について「あなたと作る真っ当な政治」と述べた。

【映像】「江東区は有名な街になってしまった」過去の不祥事に言及する酒井菜摘候補

 酒井候補は4月28日に行われた衆議院補欠選挙に立候補。東京15区では2代続けて衆議院議員が逮捕され、議席を持っていた自民党が候補者の擁立を見送った中、過去最多の9人が立候補した「乱戦」から抜け出し、勝利した。

―自己紹介を。

 立憲民主党の公認候補の酒井菜摘でございます。江東区では選挙が続いておりまして“選挙疲れ”とも言われておりますが元気いっぱい最後まで訴えたいと思います。よろしくお願いいたします。

―酒井さんが伝えたい公約は。

 第一は「あなたと作る真っ当な政治」です。信頼できる実行力のある政府、そして命と暮らしを守る防災対策や災害対策の充実を掲げています。

―日本は“災害大国”とも言われるが、具体的にどういったことを進めていきたいか。

 今回の石川県で起きた“二重の被害”に対し政府は予備費で対応できると言っていますが、これまでの大きな災害の時には政府は補正予算を編成してきました。今回も選挙どころではないと被災地の方からも声が上がっています。また、江東区では区民が求める政策の第一が防災です。区民の願いも踏まえて、今は「避難所でいつまでも床で寝ている」「プライバシーが確保できない」「被災地の方々に温かい食事が提供できない」などの問題がありますので、力を入れて進めていきたいと思っています。

―物価高・賃金などの経済対策については。

 物価高は家計を直撃しています。私も一児の母としてスーパーなどで買い物をしますが、この10月にも2911品目の食品が値上げをしています。毎日本当に同じ予算では買えないと実感している一人です。そういった意味では物価高に負けない経済対策、私たちの所得を上げるということを訴えています。そして非正規雇用の拡大や男女の賃金の格差、残業の未払いなどの問題もありますので、そういったことをしっかりと進めていきたいです。

―そういった財源はどこから捻出するのか。

 まず今一番ホットなのは政府が検討している防衛費の増税だ。立憲民主党は防衛費の増税には反対していまして、一定の防衛力の強化は必要ですけれども、それでも今の増税は必要ないということを言っていきたい。それ以外には企業の内部留保が拡大していたりしますので、国民や企業から広く財源を消費税などでお預かりをして使っていくという考えです。

―政治と金の問題について。政治の世界への信頼が下がってしまっているが、このあたりはどのように考えているか。

 江東区は有名な街になってしまった。東京15区といえば政治家の不祥事です。2人も続けて衆議院議員が汚職や逮捕などで不祥事を起こしています。それに加えて政治と金の問題、裏金の問題で区民の方、そして国民全体が怒っている思います。区民の皆さんも誰がこの政治を立て直すのかと、真剣な目で見ていると思っています。その声に応えていきたいと思います。

―やはり江東区の皆さんはそういった点に敏感か。

 そうですね。怒っていらっしゃるのを感じます。あと、「頑張ってね」だけじゃなく「よろしく頼むよ」という、「本当にあなたに託すよ」という思いがひしひしと伝わってまいります。

―少子高齢化問題など多くの問題がある中で、皆さんの幸せを守る社会とは。

 今、順風満帆な人でも、明日は何か災難や大きな病気や障害などが降りかかってくるかもしれません。そんな時にやはりベーシックサービスを充実して、住み慣れた街で自分らしく暮らしていける、社会保障の充実を私は訴えています。もっと人に優しい社会を作っていきたいと思っています。

―酒井さんは今回2期目を目指している。今回の選挙戦はどのように戦っていきたいか。

 今回5人の候補者が名を連ねています。その中で、私は唯一の現職であり、子育て世代です。他の方は子育てをされていない、全体的に若いんですけれど、若さだけではなく、母としての目線でも政策を進めていきたいと思っています。それと、政治の道に進んで6年、この街で皆さんの声を聞いてきた。江東区のために働けるのも私だということを伝えていきたいと思います。

―選挙戦において、特に身をもって伝えたいことは。

 私は衆参約700名の国会議員会議の中で、唯一の助産師の資格を持つ議員です。国の予測の10年先を少子化が進んでいますので、やはり今少子化対策をしっかり進めなくてはいけないと思います。子育て当事者としては、やはり現代の家族にあった子育て支援が足りていないというふうに思います。

 今まではあった実家機能や近隣に頼っていくという支援がなかなか望めません。そういった意味では、1人しか産まない、子どもに関わってこなかったという方々が今一生懸命子育てをしています。3000円からの切れ目のない支援を充実させなければなりませんし、教育費の無償化やそれ以外にも家族だけにケアをさせないということを社会で育んでいくことを取り組んでいきたい。

―江東区としてできること、国としてできることの違いは。

 江東区では子育て支援をかなり進めることができました。「声を上げたら変えられるんだ」ということを自分でもびっくりするぐらい実感をしたところです。国の政治との違いは(国は)立法府ですので法律を作ったり改正できる。例えば産後ケアは努力義務になりましたが、それでも自治体や県によって格差が生まれています。誰もが産後ケア、生まれた後に切れ目のない支援が受けられるように法律できちんと定める、自治体が必ずセンターを作るなど、そういったことも進めていきたい。
(ABEMA NEWS)