2024年9月にメニューを大幅リニューアルしたデニーズのモーニング。以前よりもかなりいい感じになっていました!(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんの連載第97回は、「デニーズ」をご紹介します。

朝だけに提供される飲食チェーン店の限定メニュー、いわゆる「モーニング」には、実にさまざまなお店が参入しています。ファストフードに牛丼チェーンにファミリーレストラン。カフェに焼肉に立ち食い蕎麦にドーナツショップ。

集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。なかでもファミレスチェーンはモーニングの激戦区。大手チェーンの朝限定メニューの充実ぶりは驚くほどです。

今回ご紹介するのは、ファミレス業界で店舗数が第6位「デニーズ」の朝ごはん(2024年1月)。9月末にメニューが大幅にリニューアルされ、モーニングも選択肢が増えたり人気セットが復活したりと、大きく進化を遂げています。

朝のデニーズは200円台から1000円以上まで、バラエティ豊富なモーニング勢揃い

デニーズ」のモーニングの提供時間は開店から朝11時まで。

【画像24枚】「卵の焼き方まで細かく指定できる」「主食も7種類から選べるように」…。デニーズの朝食モーニングはこんな感じ

特徴は種類の多さです。


デニーズのモーニングは種類豊富(筆者撮影)


軽めのメニューも(筆者撮影)


朝食まで揃えています(筆者撮影)

安いものは200円台、高いものは1000円オーバーと価格帯も幅広く取り扱っています。

・セレクトモーニング(A〜Eセット) 各税込682円
・グランドスラムモーニング(A〜Dセット) 各税込990円
・ライトモーニング 税込495円
・アボカド&チキン ライ麦パン添え 税込638円
・ローストポークサラダ ライ麦パン添え 税込495円
・スープモーニング ライ麦パン添え 税込550円
・トースト 税込242円
・トーストモーニング 税込253円
・自家製フレンチトースト 税込505円
・グリルドチーズサンド 税込253円
・焼き鮭朝食 税込594円
・海老とハーブ鶏のスープごはん 税込693円
・おろしハンバーグ朝食 税込924円
・ミートソース ミニサラダつき 税込924円
・北海道バターを使用したたらこソース ミニサラダつき 税込1023円
・ブランチプレート 税込1364円

このほかにも、デザートや単品メニューがあり、ビール、ワイン、ハイボールなどのアルコールの取り扱いもあります。

たまごの焼き加減にまでこだわるデニーズのモーニング

メニュー表のスペースを最も大きく割いているのが、セレクトモーニングとグランドスラムモーニングです。


卵の調理方法が選べる、こだわりの朝食。左がサニーサイドアップ、右がスクランブルエッグ(筆者撮影)

どちらも、卵が2つ、ベーコン&ソーセージにサラダとパンという、洋食モーニングの定番スタイルのモーニングメニューでも、卵の焼き方まで細かく指定できるのが魅力です。目玉焼きかスクランブルエッグか、目玉焼きなら片面焼きか両面焼きか蒸し焼きか、焼き加減まで選べます。

そして、今回のメニュー改変で大きく変わったのが主食の選択肢が増えたこと。パンかライスかだけではなく、以下の7種類から選べるようになりました。

・トーストセット
・グリルドチーズサンドセット
・ミニフレンチトーストセット
・パンケーキセット
・石窯ブールセット +税込77円
・ごはん・みそ汁セット
・納豆つき ごはん・みそ汁セット +税込143円

ドリンクバーもセットになるので、選択肢はもはや無限大。自分好みの朝食を堪能できそうです。

朝からホットケーキをほおばる贅沢な朝


セレクトモーニングAセット。パンケーキをセレクトして682円(筆者撮影)

セレクトモーニング税込682円は、A〜Eセットの5種類。のメインの主菜に、主食(お好みセット)とドリンクバーがついています。

・Aセット スクランブルエッグ
・Bセット サニーサイドアップ
・Cセット ベースドエッグモーニング
・Dセット ターンオーバーモーニング
・Eセット 生ハムシーザーサラダモーニング

Eセットのみサラダで、AからDセットには、卵2個分のスクランブルエッグとベーコン、ソーセージがついています。今回はAセットに、パンケーキをセットして注文しました。


ふんわり厚みのあるパンケーキは店内で焼いたこだわりの一品(筆者撮影)

実はパンケーキは「デニーズ」の大人気メニューで、パンケーキミックスが市販されているほど。最近は焼き時間が短くて済む薄めのパンケーキが主流ですが、しっかりとした厚みのある昔ながらのホットケーキスタイルが持ち味です。

店内で注文を受けてから1枚ずつ焼き上げ、外はこんがり香ばしく、中はふわふわ。メープルタイプシロップが厚みのある生地に染み込んで、口のなかでジュワッと溢れます。追加料金なしで、ちょっと贅沢な朝食が楽しめるなんて、嬉しすぎます。


スクランブルエッグは低温でじっくり焼いて、焦げ目なしでとろりとした仕上がり(筆者撮影)

メインのおかずプレートも、メニュー写真と乖離のない美しい盛り付けで、見た目からしてグッときます。ふんわりとかき混ぜて、弱火で柔らかく仕上げたスクランブルエッグは、程よいとろみも残り、ふっくらとした仕上がり。

しっかりソテーして焼き色をつけたソーセージは、粗挽きでプリプリの食感。カリッと焼いたベーコンの塩気は、甘いパンケーキと相性抜群です。

デニーズ」は、中価格帯のファミリーレストランで、グランドメニューではドリンクバーを単品で注文すれば税込561円、パンケーキは3枚で税込550円します。おかずプレートに、ドリンクバーとパンケーキ2枚がついて税込682円というのは、モーニングならではのコスパといえるのではないでしょうか。


セレクトモーニングBセット。ミニフレンチトーストをセレクトして682円(筆者撮影)

グランドスラムモーニング990円

スポーツの世界で、「満塁ホームラン」や「主な試合にすべて勝つこと」を意味するグランドスラムの名前を冠したのが、新メニューのグランドスラムモーニングです。


グランドスラムモーニング990円。両面焼きの目玉焼きとグリルドチーズサンドのセット(筆者撮影)

こちらは、セレクトモーニングにフライドポテトとバナナヨーグルトがプラスされた内容となっており、ボリューミーな朝食が食べたい人にはぴったりです。

グランドスラムモーニングDセットの、ターンオーバー(両面焼き)の目玉焼きと、トーストにチーズを挟んでこんがり焼いたグリルドチーズサンドを組み合わせました。

価格は税込990円。セレクトモーニングとの差額は308円と、高からず安からずのラインで、1000円以下に収めてくるあたり、絶妙な価格設定です。

グリルドチーズサンドは、表面にバターを塗って焼いてあるので、焼き目はこんがり、かじるとサクッとした歯触りののち、口の中でふんわりとバターの香りが広がります。

食パンに挟んだスライスチーズはオレンジがかった黄色で、チェダーチーズの配合が多めなのかしっかりとコクがある濃厚な味わいです。

ファミレスやカフェのモーニングをWEB記事にする際に「まるでホテルみたい」というのが常套句なのですが、両面焼きの目玉焼きがリクエストできるなんて、本当にホテルのようです。


目玉焼きは両面焼き。焦げ目がついた白身は独特のおいしさ(筆者撮影)

目玉焼きの白身はしっかりと火が通ってプリプリ、黄身は半熟。トーストで黄身をすくって食べてもおいしい。

フライドポテトがプラスされて、食べ応えががっつりあるので、セレクトモーニングでは物足りない腹ペコさんも満足できるはず。


ミニパフェグラスに盛られた、見た目も愛らしいバナナヨーグルト(筆者撮影)

バナナヨーグルトは、砂糖なしのプレーンヨーグルトにほんのり甘いカットバナナ3つ入り。ヨーグルトの酸味でさっぱりしつつ、ねっとりしたバナナの食感で、しっかり食べた感があります。

ワンコインでしっかり食べられるライトモーニングも復活

以前、当コラムでご紹介したライトモーニングは、税込495円というワンコイン価格で、ごはんとみそ汁、おかずが食べられるという、牛丼チェーンの朝定食並の価格設定なのに、なんとドリンクバーまでついているという、お得すぎるほどお得なセットです。


メニューのリニューアルで復活したライトモーニング495円(筆者撮影)

主菜はセレクトモーニングをちょっとさみしくした内容となっています。スクランブルエッグは卵1個、ベーコンのみでソーセージなしではありますが、サラダもついて、主食はトーストか、ごはんとみそ汁かのどちらかを選べます。


白ごはんにふわふわのスクランブルエッグを乗せて食べると、たまごかけごはんとはまた違ったおいしさ(筆者撮影)

トーストをセレクトした際は、ホイップバターとジャムの両方がついてくるので、半分をバタートースト、半分をジャムトーストとして食べられます。ごはんとみそ汁をオーダーした場合は、スクランブルエッグを半分はケチャップ、半分は醤油で食べるのもおすすめです。

実は一度メニューから姿を消した時期があり、「安すぎて採算が合わなかったのかな?」と、残念に思っていたのですが、今回のメニュー改変で内容も価格もそのままで復活しました。

個人的に「デニーズ」モーニングメニューの中で最もコスパが良いのが、このライトモーニングだと思っているので、多少の値上げはいたしかたなしとしても、今後もメニューに居座り続けてほしいところです。

居心地の良さもデニーズならでは

今回利用した店舗は、JR山手線など複数の路線が乗り入れるハブ駅前にある70席ほどの大型店舗です。以前から頻繁に利用しており、以前は程よく空いていたのですが、最近は朝から混み合っていることが増えました。

今回、日曜日の朝9時半に訪れたところ、店内は満席で入り口のウェイティングボードに名前を書いて順番待ちをする必要があるほど混み合っていました。

店内の通路のはしばしにキャリーケースが置かれており、利用客の半分ほどがインバウンドの旅行客のようです。右側の席では4人家族が英語で会話をしており、左側の席では2人の男性がフランス語で話しています。

デニーズ」は、日本ではセブン&アイ・フードシステムズが運営していますが、もともとはアメリカの大手ファミリーレストランチェーンのため、「電車に乗る前にちょっと休憩」とか「お出かけするまえに腹ごしらえ」といったシチュエーションで、見知ったお店は入りやすいのかもしれません。

左側の席の男性2人が退店後、3人組の日本人女性が着席しました。地元民ではなく、推し活に来た友人グループのようです。近隣で開催される舞台を鑑賞に来たようで、推しの俳優の魅力や、自分たちの生き様について熱弁し、朝から大いに盛り上がっていました。


アイスドリンク用のグラスと、ホットドリンク用のカップ&ソーサー(筆者撮影)

駅前という立地もあり、まわりには牛丼チェーンやカフェチェーンもズラリと並び、「デニーズ」よりも安く朝食メニューを提供している店がほとんどです。

「順番待ちしてまでデニーズで朝ごはんを食べたいのは、おいしさはもちろんのこと、店内の居心地の良さもあるんだろうなぁ」と、リラックスして会話を楽しむ彼女たちを通して「デニーズ」の魅力を改めて考えさせられた朝です。

【その他の画像も】「卵の焼き方まで細かく指定できる」「主食も7種類から選べるように」…。デニーズ朝食モーニングはこんな感じ

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)