今年1月1日に発生した能登半島地震では、原発が立地する石川県志賀町で震度7を観測し、全国の原発周辺の自治体からは万一、大きな地震と原発事故が同時に起きた場合の避難などについて、不安の声があがっています。

原発事故の時、半径5〜30キロ圏内の住民は、自宅や避難所に「屋内退避」をすることになっていますが、その期間や解除の条件について原子力規制庁が検討し、18日、中間とりまとめを行いました。

原発から半径5〜30キロ圏内(UPZ)の住民の「屋内退避」は、原子炉が非常停止できないなど緊急事態に陥った際、被ばく線量を下げるため実施されます。

しかし、これまで解除のタイミングなどは明確に決められておらず、屋内退避が長引くことによる物資の不足なども懸念されてきました。

原子力規制庁の検討チームでは屋内退避の運用について、今年4月から5回にわたり議論してきていて、18日、中間とりまとめを行いました。

それによると、まず前提として福島第一原発事故後の原発の新規制基準のもとでは重大事故の対策が機能すると想定され、屋内退避の対象地域は被ばく線量が低くなるとみられるとしています。

そのため、重大事故対策が機能し、モニタリングポストの値などから周辺に放射性物質が滞留していないと確認できれば屋内退避を解除できるとする解除の要件を示しました。

また、屋内退避を継続する場合でも、自宅に備蓄している食料などで、まずは3日間継続することを目安とすること。一方で、自治体などからの物資や人的支援でそれ以降も生活の維持が可能であれば、さらに継続する場合もあるとしています。

物資や電気・ガスの供給状況などから生活の維持が困難な場合には国が地域ごとに屋内退避から避難に切り替える判断をするのが適切としたほか、屋内退避中も、例えば、生活物資の受け取りや屋根の雪下ろし等、生活維持に最低限必要な場合、一時的な外出は、できるとしています。

検討チームでは屋内退避の対象となる自治体の意見も聞いた上で、今年度中をめどに最終的な報告書をとりまとめる方針です。