その後、ドル円は149円台後半での推移が続いている。朝方発表の9月の米小売売上高が予想以上に強い内容となったことで為替市場はドル買いの反応が見られ、ドル円もここ数日上値を拒んでいた150円台に上昇する場面が見られた。

 米小売売上高は米個人消費の底堅さを示し、短期金融市場ではFRBの利下げ期待をやや後退させている。11月は80%超の確率で0.25%の利下げを見込んでいるものの、12月については60%程度まで確率が低下。

 米国債利回りも上昇する中、ドル円はここ数日拒まれていた150円を突破したが、滞空時間は短く、直ぐに戻り売りに押されている。150円台での売り圧力の強さがうかがえる動きではあるが、FRBが利下げサイクルを開始し、日銀は逆に利上げに着手し始める中で、以前のように160円を超えて上昇すると見ている向きはまだ少ない。150円を突破しても以前ほど上値は軽くないようだ。

 ただ、下押す動きもない中、150円台をうかがう展開は続いている。目先は150円台の完全回復、その上はフィボナッチ水準が来ている150.65円付近、そして本日151.30円付近に来ている200日線が上値ターゲットとして意識される。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美