ドラフト会議で上位指名が予想される報徳学園高の今朝丸裕喜投手=8月11日、甲子園

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 プロ野球ドラフト会議が24日に行われる。

 上位指名が予想される3人を紹介する。

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 報徳学園高(兵庫)の今朝丸裕喜投手は高校3年間で一番悔しかった出来事に、昨夏の全国高校選手権兵庫大会を挙げる。5回戦の神戸国際大付高戦、2番手で失点を喫してチームは敗退。「先輩の最後の夏を飾ることができなかった」。当時は体の線が細く、直球の最速は140キロ台中盤。力不足を痛感した。

 新チーム発足後、磯野剛徳部長との面談で将来の目標を問われると開口一番、「世代ナンバーワン投手になります」と宣言した。「全国的に見て、自分はもっと高いところでやりたい」。素直な思いから出た言葉だった。

 重点を置いたのが体づくり。休み時間に必ずおにぎりを1個平らげ、多いときは一日で7個食べた。磯野部長が提示したウエートトレーニングや瞬発系のメニューも黙々とこなし、「体が強くなった。体重と筋肉が付いたので、その結果が球速につながった」。

 体重は高校入学から15キロ増えた。当初は3年夏に球速150キロを出す計画だったが、2年のうちにクリア。迎えた春の選抜大会では、準々決勝の大阪桐蔭戦で1失点完投勝利を収めるなど2年連続準優勝に貢献。大舞台で実力を証明し、言葉通りに世代屈指の右腕へと駆け上がった。

 187センチの長身に「コントロールは勝手に付いてきた」と器用な面も。決め球のフォークは鋭い落差があり、高い総合力を誇る。何よりもこだわるのがやはり直球で、「(元阪神の)藤川さんの火の玉ストレートが理想。最終的には160キロを目指したい」。プロの舞台でさらなる成長へ。逸材は底知れない可能性を秘めている。