パリのモーターショー

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2024年10月14日、中国メディアのIT之家は「2024年パリモーターショー、メルセデス・ベンツと日系自動車メーカーが欠席。中国自動車メーカーが注目の的に」と題する記事を掲載した。

同記事はまず、パリモーターショーは1898年に始まった世界最初の自動車展示会であり、自動車業界における影響力が大きいことを紹介。「2年前のパリモーターショーでは、ドイツ、米国、日本などの自動車メーカーがほとんど参加せず、フランス国内ブランドが主導的な役割を果たしていた」と報じた。

その一方、BYDや長城自動車などの中国メーカーについて、「新エネルギー車を出展することで、モーターショーに新たな活気をもたらした」と評価した上で、「今年のパリモーターショーでの最大の変化の一つは、出展企業の数が大幅に増加し、世界中の主な自動車メーカーがほとんど参加することで、さまざまな新車が世界初公開される点である」とした。

今年のパリモーターショーの出展社は、中国の自動車メーカーとしては、BYD、紅旗、広汽集団、上汽大通、東風風行、問界、小鵬、零跑、創維など。中国以外の自動車メーカーでは、プジョー、シトロエン、ルノーなどのフランス自動車メーカーのほか、フォルクスワーゲン、アウディ、シュコダ、BMW、ステランティス、現代・起亜自動車、テスラなどの自動車メーカーが出展している。一方、トヨタ、ホンダ、日産などの日系自動車メーカーや、主要な高級車メーカーであるメルセデス・ベンツは出展しなかった。

同記事は、今年のパリモーターショーの見所は、「中国自動車メーカーの出展数が他の国々を上回り、今年のパリモーターショーでの注目の的になっている点」だと主張。「欧州の消費者にとって中国自動車メーカーの認知度はまだ高くないものの、パリモーターショーは中国自動車メーカーが欧州市場にプレゼンスを示すための重要な機会となることは間違いない」と論じた。

一方で、「中国自動車メーカーが欧州市場を拡大するのは決して容易ではない」とも言及。その理由として、4日に欧州連合(EU)が既存の10%の関税に加えて、中国製電気自動車(EV)に対して最大35.3%の反補助金関税を課すことを正式に決定したことを挙げた。この措置は10月末に発効する予定であり、少なくとも5年間実施されるという。なお、同記事では具体的な追加関税の税率は、中国から輸入されるテスラには7.8%、BYDには17%、吉利には18.8%、上汽には35.3%、その他EVメーカーには20.7%となっていることも紹介されている。

同記事は、「追加関税は中国のEVメーカーにとって欧州市場進出の難易度を引き上げるが、それでもなお、グローバル展開を目指す中国自動車メーカーにとって欧州は重要な市場であり続けている」と指摘。上海汽車や吉利汽車などの中国自動車メーカーの幹部が、関税障壁によって欧州市場を開拓する決意が揺らぐことはないと表明していることを伝えた。(編集・翻訳/奈良)