流木が付近を埋め尽くした住宅地(9月22日午後、石川県輪島市で、読売機から)

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 石川県の能登半島北部を襲った記録的な大雨で、全壊や浸水した住宅が1368棟に上ることが、県のまとめで分かった。

 調査中のためさらに増える見込みだ。被災した住民を対象にした「2次避難」も始まり、輪島市内の23世帯46人が同県七尾市の宿泊施設に順次移る。12日で大雨災害の発生から3週間となった。

 県によると、住宅被害(11日午後2時現在)は能登半島北部の輪島市、珠洲市、能登町に集中し、全壊は計16棟。このほか浸水は、床上が計317棟、床下も計1035棟に上り、市町別では、輪島市が611棟、珠洲市493棟、能登町244棟のほか、七尾市で3棟、内灘町で1棟あった。

 2次避難の対象は、仮設住宅が床上浸水した地区や、上下水道などの生活基盤が甚大な被害を受けた地区の一部住民。県が宿泊施設を確保し、輪島市が住民らの意向を確認した上で、11日から14日まで順次移動してもらう。

 元日の地震で自宅が全壊し、6月末に入居した輪島市宅田町の応急仮設住宅が床上浸水した男性(67)は、避難所生活を経て、11日に妻と七尾市の民宿に2次避難した。男性は「地震の次は雨。次から次へと心配ごとが起きる。それでも、久しぶりに周囲を気にせずよく眠れた」とほっとしていた。

 今回の大雨では、14人が死亡し、47人が重軽傷を負った。輪島市で1人と連絡が取れなくなっている。