「年収970万円」で、小・中学生の子どもが2人。「児童手当」の制度改定で、わが家の家計はどう変わる? 具体的な金額でシミュレーションしてみた

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2024年10月から児童手当の支給範囲が拡充されますが、対象となる家庭の家計にどのような影響があるのか気になるところです。 本記事では、増えた児童手当金をどのように活用すべきか、具体的な金額でのシミュレーションを交えて説明します。

新たに児童手当の支給範囲になるのは、どんな家庭?

10月から新たに児童手当を受け取れる対象となる家庭は、主に次の2つです。
 

(1)年収制限で減額されていた・手当をもらえなかった家庭

例えば、子ども1人を育てている親の世帯所得が660万円(年収875万6000円)以上では児童手当は5000円に減額され、所得上限896万円(年収1124万円)以上では児童手当が支給されていませんでした。
10月からは収入制限が無くなり、子どもを育てている(扶養している)親は児童手当を受け取れるようになりました。
 

(2)子どもの年齢制限で、児童手当をもらえなくなった家庭

児童手当には子どもの年齢制限があり、中学卒業までが支給対象の期間でしたが、10月からは高校卒業(18歳)までと支給対象が広がりました。そして第3子への支給額が月3万円に増額され、子どもが多い家庭には児童手当が手厚く支給されます。
 

小・中学生の子どもが2人います。どのくらい家計に影響がありそう?

10月からの児童手当は、3歳未満で月額1万5000円(第3子以降は3万円)・3歳から18歳まで月額1万円(第3子以降は3万円)になりました。それでは子どもの年齢と人数ごとに児童手当がいくらもらえるのかシミュレーションします。
 

<例1>

子ども2人(1歳と小学生)がいる家庭での児童手当受取見込み額(月額)

1歳への支給分1万5000円+小学生への支給分1万円=見込み月額2万5000円
年間での見込み額は、月額2万5000円×12月=30万円です。
 

<例2>

子ども2人(小学生1人・中学生1人)がいる家庭での児童手当受取見込み額(月額)

年収970万円で小・中学生2人と年収103万円以下の配偶者がいる家庭(扶養家族3人)では、9月分まで1人5000円に減額されて5000円×子ども2人=1万円でした(夫婦の合計収入ではなく、年収が多いほうを基準に決められていました)。
10月からは児童手当の支給対象になったので、以下の計算式で見込み額が算出できます。
小学生への支給分1万円+中学生への支給分1万円=見込み月額2万円
年間での見込み額は、月額2万円×12月=24万円です。
 

<例3>

子ども3人(小学生1人・中学生1人・高校生1人)がいる家庭での児童手当受取見込み額(月額)

小学生(第3子)への支給分3万円+中学生への支給分1万円+高校生への支給分1万円=見込み月額5万円

年間での見込み額は、月額5万円×12月=60万円です。
児童手当金額の改定とともに支給時期の回数も年3回だったのが年6回に増え、10月分と11月分の児童手当は12月に支給されます。このため、児童手当を活用しやすくなりました。
 

児童手当は、どのように活用すれば良いですか?

内閣府「児童手当等の使途に関する意識調査(平成30~31年)」によると、児童手当の使い道または使う予定での回答で最も多かったのは「子どもの将来のための貯蓄・保険料」が約57%で、次いで「子どもの教育費など」が約27%でした。
児童手当は子どもの成長を助けるためのお金なので、子どもの将来に向けてお金をなるべく増やせるように、新NISA制度などを利用してコツコツと資産形成を図るのも選択肢のひとつです。
 

まとめ

10月から新たに児童手当を受け取れる対象となる家庭は、主に「年収制限で減額されていた・手当をもらえなかった家庭」と「子どもの年齢制限で、児童手当をもらえなくなった家庭」です。
新たに児童手当を受け取れる・もらえる期間が延びたことで、家庭にプラスとなる効果が見込まれています。専門家に相談したり家族で話し合ったりして、子どもに最善な使い道を選択してゆく事が望ましいでしょう。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 もっと子育て応援! 児童手当
内閣府「児童手当等の使途に関する意識調査」(平成30~31年)のポイント
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー