冷蔵庫にたくさん食品をつめ込み、結局腐らせて捨ててしまう…。そんな悩みをおもちの方もいるのでは? カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)によると、この問題のいちばんのの解決策は「買いすぎない」ことなのだとか。今回は筆子さんが、食品を買いすぎる典型的な理由3つと、それぞれの解決法について語ります。

<原因1>冷蔵庫の中身を把握していない

冷蔵庫になにが入っているのかよくわかっていないので、同じものを重複して買ってしまう。

そんなときは、中身を確認するクセをつけてください。ものがたくさん入っていると、目視しにくいです。まずは冷蔵庫の中を片づけて、なにが入っているのか一目でわかるようにしましょう。

最近は大型の冷蔵庫が多く、メインの冷蔵庫とはべつに専用の冷凍庫を買うこともありますよね。収納する場所があればあるほど、中身もふくれあがります。できれば食品を入れる場所は限定するのをおすすめします。

また、冷蔵庫に類したものがいくつもあるときは、スマホやアナログのノートに中身を記録したり、冷蔵庫の扉に付箋をはったりして、いつでも中身がわかる状態にしておくといいでしょう。

買い物する日を決めて、その前日にできるだけ残りものを食べる。そのあと、中身を確認するとよし。確認後は買うべきものをリストにして、このリストをもとに買い物してください。

残りものを冷蔵庫にしまうときは、中身と日づけを書いた付せんやラベルをはって、古いものほど手前に置くと、確実に食べきることができますよ。

<原因2>おトク商品に弱い

売り場でセール品を見て欲しくなり、買ってしまうことが多いなら、おトクに弱い体質を改善しましょう。行動や考え方を変えれば、おトク品になびかなくなります。

<たとえば…>
・買い物リストにのっていないものは買わない
・まとめ買いがおトクだと思い込まない
・食材を買うルーティンを決め、次の買い出しの日までに食べきれないものは買わない
・量より質にこだわる
・1回の買い物の予算を決める

まとめて買うと安くなるので、トクをすると思いがち。しかし、無駄にしてしまうなら、それはおトクではありません。手もちの量が多いと、「まだこんなにあるから」という気持ちになり、食べすぎるので、冷静に考えるとあまりトクにはなっていないこともよくあります。

「おトク」になびかないために、ふだん買っている食材をどの程度使いきれているのか? 1か月ぐらい食材の回転状況を調べるのも効果的です。

買いすぎによって実際に起こった問題(食品を腐らせてしまった、予算がオーバーしたなど)を振り返り、そのリスクを再認識することで、不要な買い物を減らす意識が高まりますよ。

おトク品を買ってしまうのも、生活習慣の1つです。最初は努力が必要ですが、慣れてしまえば、リストにあるものだけを買って家に帰るのが普通になります。

<原因3>安心したい気持ち

冷蔵庫にたくさん食品が入っていると、安心できる。豊かな気分になる。そんな気持ちから、すぐには食べないものまで買っているなら、まずは、安心するためにも自分の“不安”と向き合いましょう。そのために、以下のことをしてみてください。

●なにがそんなに不安なのか考えてみる

もし、食品がたりなくなるのが心配だと思うなら、どれほどあればたりるのか、現状を調べて、ストックすべき食材の適量を見つけましょう。

●たりなくなったときの対処法を考えておく

実際に食材がたりなくなったらどうするか、いくつか方法を考えておくと安心できます。

<たとえば…>
・フリーザーの中にすぐに使えるおかずをいくつか入れておく
・その日は飲食店から料理を取り寄せる
・近所のコンビニで調達する
・外食する

などなど、食品をスピーディに調達する方法はいろいろあります。

●たりない状況を体験する

意図的にたりない状況をつくって体験してみるのもよいかと思います。たりないと思っても、実際は冷凍庫やパントリーにあるなにかを使って食事をすることができます。目当ての食材がなくても代替品を使うなど、柔軟に対応すると、「なくてもなんとかなる」「大丈夫」と実感できるので不安が和らぎます。

私は、週に1度、食品を届けてもらっていますが、食品が届く前日あたりから冷蔵庫はほぼ空っぽになります。それでも、冷凍してあった野菜の切れ端でスープをつくったり、缶づめを食べたりすれば、栄養満点とは言えませんが、食べるものが完全にゼロになることはありません。

●ほかの行動で安心感を得る

安心感を求めて買い物に走らないよう、ほかの方法で心を満たすのもよい方法です。たとえば、散歩に出かける、友人と話す、ストレッチ、ヨガ、瞑想でリラックスする、好きな本を読むなど、買い物以外で不安を解消する活動を取り入れてみてください。日記を書くのもおすすめです。

以上、食品を買いすぎないコツを3つ紹介しました。ゴミを減らすことや、食材を無駄にしないことを心がけるのも食品のため込みグセの解消に役立ちますよ。