水上バンガローに泊まる贅沢なタヒチ旅、祭典「Heiva I Tahiti」も満喫【レポート・後編】
タヒチ観光局とハワイアン航空が実施したプレスツアーで、ハワイアン航空を利用してホノルル経由でのフランス領ポリネシア(タヒチ)を訪れ、美しい海やラグジュアリーなホテル、祖先のマオリから受け継がれた独特の文化など、現地の魅力を体験してきた。(前編はこちら)
必ず抑えたい水上バンガロー
[caption id="attachment_312937" align="alignnone" width="900"] フランス領ポリネシアといえば、やはり水上バンガロー[/caption]
今回のプレスツアーでは、タハア島とモーレア島、そしてタヒチ島の3か所に宿泊。そのうちタハア島とモーレア島では、仏領ポリネシアの代名詞ともいえる水上バンガローに宿泊した。
タハア島では「Le Taha’a by Pearl Resorts(ル・タハア・アイランド・リゾート)」に宿泊。タハア島を囲むモツ(小島)のひとつをまるごとホテルとしたプライベートアイランドで、姉妹島のライアテア島にある空港からボートで30分ほど移動した場所にある。
[caption id="attachment_312938" align="alignnone" width="900"] ライアテア空港併設の小さな港から、ボートでホテルへとアクセス[/caption]
全57のスイートとヴィラのうち、宿泊した水上バンガローは全28室ある「Taha'a Overwater Suite」。わらぶき屋根の伝統的なポリネシアン様式の建築で、室内はキングサイズのベッドに加え、シングルベッドとしても使えるソファーのあるリビングエリアがセットの約90平方メートル。
[caption id="attachment_312939" align="alignnone" width="900"] Le Taha’a by Pearl Resortsの水上バンガローは全28室[/caption]
[caption id="attachment_312941" align="alignnone" width="900"] Taha'a Overwater Suiteの室内[/caption]
ベッドのフッドボード床面がガラス窓になっており、床下の海を眺められる。もちろん透き通ったラグーンへと直接アクセスできるプライベートデッキもあり、フレンチポリネシアの海を満喫可能。またバスルームにはバスタブもあり、ベッドのフットボードと同じようにバスタブの脇もガラス面になっており、海面がみられるなどリラックスした時間も楽しめる。
[caption id="attachment_312943" align="alignnone" width="900"] ガラス張りの床から海面がみえる[/caption]
レストランは3か所あり、そのうちのひとつメインレストランの「Hawaiki Nui Restaurant」では、地元のタヒチアン料理に加え、フレンチやアジアンなど各国の料理を取りそろえたメニューを用意。長い滞在でも飽きずに食事を堪能できる。
[caption id="attachment_312944" align="alignnone" width="900"] 外気を浴びて気持ちよく食事ができるHawaiki Nui Restaurant[/caption]
[caption id="attachment_312945" align="alignnone" width="900"] 朝食はビュッフェスタイルで、伝統料理のポワソンクリュ(マグロのココナッツ和え)もある[/caption]
Hawaiki Nui Restaurantはビュッフェスタイルの朝食レストランにもなっている。また水上バンガローといえばおなじみの、アウトリガーカヌーで朝食を運んでもらうルームサービスも提供している。
モーレア島では、「Sofitel Kia Ora Moorea Beach Resort(ソフィテル・モーレア・イア・オラ・ビーチ・リゾート)」に宿泊。モーレア島へはタヒチ島からフェリーでアクセスするのが一般的だが、モーレア島側のフェリーターミナルから車で10分ほどの好立地。しかもモーレア島のなかでも最も美しいビーチに建っていると称されており、ホテルを含めた風景は絵画や写真よりも美しい景色となっている。
[caption id="attachment_312946" align="alignnone" width="900"] 世界でもトップクラスに美しい立地にあるSofitel Kia Ora Moorea Beach Resort[/caption]
ヴィラを含む110棟のバンガローのうち、水上バンガローは38棟。宿泊したのは「Superior Overwater Bungalow」で、部屋のサイズは約42平方メートル。こちらもわらぶき屋根の伝統的なポリネシアン様式の建築で、プライベートデッキからラグーンへとアクセス可能だ。
[caption id="attachment_312948" align="alignnone" width="900"] Superior Overwater Bungalowの室内[/caption]
[caption id="attachment_312949" align="alignnone" width="900"] Superior Overwater Bungalowのプライベートデッキ[/caption]
[caption id="attachment_312950" align="alignnone" width="900"] ラグーンへ直接アクセスでき、シャワーも完備[/caption]
筆者自身、水上バンガローに宿泊したのは初めてだったが、これまで泊まったどんなホテルよりもリラックスでき、ワクワクもする体験だった。両ホテルともプライベートプールやマリンスポーツなどの施設も充実しているため、シングルや家族でも十分楽しめる。とはいえ、やはりカップルでの来訪、特に新婚旅行での宿泊が2人だけの特別な時間と空間を作り出せるのでベストだろう。
[caption id="attachment_312947" align="alignnone" width="900"] Le Taha’a by Pearl Resortsのプール[/caption]
タヒチを訪れるなら「Heiva I Tahiti」のシーズンに
[caption id="attachment_312952" align="alignnone" width="900"] シーズン中はHeiva I Tahitiのために特設ステージが建てられる[/caption]
タヒチ島では毎年6月末から7月にかけて、ポリネシアの伝統を祝い伝える祭典「Heiva I Tahiti(イバ・イ・タヒチ)」が開催されている。期間中はポリネシア音楽や、ポリネシアンダンスのコンテストといったアーティスティックなイベントが行われている。
特にポリネシアンダンスコンテストは、フランス領ポリネシアで最も権威があり大規模なコンテストのひとつ。多くのチームがHeiva I Tahitiの期間中に専用の舞台でダンスを披露し競い合う。
もちろんタヒチ島を始めとするフランス領ポリネシア各島で、ポリネシアンダンスを観る機会はあり、たとえばホテルのレストランなどでも定期的に公演が行われている。とはいえその多くは数人規模のもの。
イバ・イ・タヒチへ出場しているダンスチームは百人規模の大所帯が多く、迫力あるダンスを物語仕立てで演じており、実際に見てみるとポリネシアンダンスの印象がガラリと変わるほど。本気のポリネシアンダンスを見られるチャンスは、イバ・イ・タヒチの時期がいちばんというわけだ。
[caption id="attachment_312951" align="alignnone" width="900"] 本格的なポリネシアンダンスを観るならHeiva I Tahitiがいちばん(写真は2023年のもの)[/caption]
そのほか、イバ・イ・タヒチでは、スポーツ大会も開催されている。スポーツといっても、古代から行われている種目が多く、たとえば巨石を担ぎ上げる重量挙げや、高く掲げたココナッツを的にした槍投げ、アウトリガーカヌーレース、そしてココナッツ割競争など。
[caption id="attachment_312953" align="alignnone" width="900"] スポーツ大会の種目の1つ槍投げ[/caption]
[caption id="attachment_312954" align="alignnone" width="900"] 巨石を使った重量挙げ[/caption]
[caption id="attachment_312955" align="alignnone" width="900"] 椰子のみ割り競争は、割って中をくりぬき袋に詰めるまでが工程[/caption]
こちらもポリネシアの伝統を感じるには十分のイベント。フランス領ポリネシアの旅というと、タヒチ島以外の島でのんびりとビーチリゾートというイメージも強いが、Heiva I Tahitiの時期に訪れて、ポリネシアの伝統に触れる旅もオススメしたい。
今回のプレスツアーでは、イバ・イ・タヒチを体験するため、タヒチ島では「Hilton Hotel Tahiti(ヒルトンホテルタヒチ)」に滞在。タヒチ島にあるファアア国際空港から車で10分ほどの位置にあり、市内中心部へも車で5分ほどとアクセスの良い立地にある。
[caption id="attachment_312956" align="alignnone" width="900"] Hilton Hotel Tahiti[/caption]
ヒルトンホテルタヒチは、フランス領ポリネシアのリゾートホテルとしては最も歴史のあるホテルのひとつで、規模も最大クラス。特にプールは仏領ポリネシアのホテルとしては最大規模とファミリーでの旅行にもピッタリ。
[caption id="attachment_312957" align="alignnone" width="900"] Hilton Hotel Tahitiのプールはエリアでは最大クラス[/caption]
スーパーマーケットのカルフールが入ったショッピングモールが道路を挟んで併設しており、徒歩数分でアクセス可能。日常品からお土産まで気軽にショッピングできるので、このあたりも家族旅行にはうれしいポイントだ。
世界遺産の遺跡や名産品も見逃せない
もちろんポリネシアの文化を感じられるのは、イバ・イ・タヒチの時期のタヒチ島だけではない。たとえばライアテア島にある、ポリネシア古代宗教の祭祀殿「タプタプアテア」がユネスコ世界文化遺産登録として2017年に登録されていている。
そのほか、ライアテア島には、ポリネシアの植生を学べるボタニカルガーデンもあり、現地ツアーでガイドと一緒にまわることで、ポリネシアの歴史や文化を学ぶことができる。
[caption id="attachment_312959" align="alignnone" width="900"] 現地ガイドからポリネシアの植物を現地の人がどう活用しているか学べる[/caption]
また、タハア島にはフランス領ポリネシアの名産となっているバニラ農園や加工場、黒真珠の養殖場、ラム酒の醸造所があり、現地ツアーの見学で訪れることも可能。ここでしか購入できない製品もあるので、見逃せないポイントとなっている。
[caption id="attachment_312960" align="alignnone" width="900"] タハア島でラム酒を蒸留しているDomaine Pari Pari[/caption]
[caption id="attachment_312961" align="alignnone" width="900"] ラム酒の試飲も可能[/caption]
[caption id="attachment_312962" align="alignnone" width="900"] 黒真珠を取り出す工程も見学できる「Love Here Pearl Farm」[/caption]
モーレア島には2021年7月にタヒチの島々で初めてのエコミュージアム「Te Fare Natura」がオープンし、こちらもポリネシアの歴史や文化が学べる。さらにミュージアムの建物はポリネシアの伝統的建築と現代の建築を融合した設計となっており、メインエリアは山から吹き下ろす風を取り入れて、エアコンを使わずに外気温より数度低い状態を保つ作りになっているのも興味深い。
[caption id="attachment_312963" align="alignnone" width="900"] ポリネシアの文化と歴史を学べるTe Fare Natura[/caption]
[caption id="attachment_312964" align="alignnone" width="900"] ポリネシアの伝統と最新技術を組み合わせたTe Fare Naturaの建物[/caption]
現状、ハワイアン航空のホノルル〜パペーテ線は土曜の週1便のため、現地1週間の滞在となってしまう。とはいえ、これらの見所をすべて体験しようとすると1週間ではとても足りない。2週間以上、または何度でも訪れたくなる。やはりフランス領ポリネシアは、楽園と言われるだけの魅力の詰まったエリアということを実感させられた。(取材協力:ハワイアン航空、タヒチ観光局)