25日にキルギスの地で始まったAFC U20アジアカップ予選I組の戦いは。ここまで全3試合中2試合までを消化。地元のキルギスと日本がそれぞれ連勝を飾り、29日の第3戦で直接対決を迎える流れとなった。

 ここまで連勝で来ている日本だが、船越優蔵監督は第2戦終了後に「勝てて良かったですけど、誰一人満足できるようなクオリティではなかった」とコメント。勝って兜の緒を締める意味合いもあるだろうが、「アジア予選を突破するためだけのサッカーはしない」と明言してきた指揮官にとって、求める“質”に届いていないという率直な感触もあるようだ。

 あらためて地元キルギスとの第3戦に向けて、より高いレベルのプレーをチームとして目指すことを強調。試合間隔は中1日のため、トレーニングは28日の1回のみだが、ボールの動かし方の意識付けなどポイントを絞った練習でチームを磨き直した。

 キルギスとの最終戦は開催国を相手にしてのサバイバルマッチとなるが、船越監督はこの状況を「ありがたい」と形容する。

「このキャンプが始まる前に選手たちへ伝えた目的は二つあって、一つは予選を突破すること、そしてもう一つは勝ちながら成長すること。その意味で、このシチュエーションで試合ができるのはありがたい。勝つのはマストで、さらに成長もできればいい」(船越監督)

 キルギスは伝統的にタフなデュエルを仕掛けてくるチームだが、「自分はアルゼンチン(のU-20W杯)を経験しているので」と言う船越監督は「まず(球際で)逃げないことは絶対に徹底したい」と強調。「その上で自分たちの良さを発揮していければいい」と語った。

 試合はキルギス入りしてから初めてのナイトゲームとなる。かなりの冷え込みも予想されているが、試合のほうはかなりホットなモノになりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)