【安藤 房子】前田敦子みたいな女性と結婚したい…貯金1500万円の41歳「こども部屋おじさん」が見誤る《女性選び》

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婚活におけるマッチングアプリの市場規模が拡大している。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが調査した「マッチングアプリの動向整理」によれば、アプリサービスで結婚にいたった男女の割合を比較すると、2010年にはわずか1.6%だったのに対し、2020年には11.1%と大きく飛躍。東京都もAIマッチングアプリ開発し本格運用が始まった。

その副作用と言うべきか、マッチングアプリを通じた婚活詐欺やロマンス詐欺などの被害も拡大中だ。真剣に結婚相手を探す気持ちにつけ込み、多額の金品をだまし盗る手法は多く報道されているものの恋は盲目、いったん好きになった相手に疑いをかけることはなかなか難しい。

婚活パーティーや結婚相談所などのお見合いとは違い、アプリでの婚活には写真とメッセージのみでのコミュニケーションの手法が良くも悪くも障壁だ。そのなかに好みの相手がおり、その相手が自分にも「いいね」などを押してくれただけで、人によっては「この相手と結婚できる…」と勘違いしてしまう場合もあるだろう。

そんな落とし穴に陥ってしまった41歳の男性、婚吉さんから5年も婚活を続けているが、なかなかいい相手が見つからないと恋愛心理研究所の安藤房子さんに相談があった。

その深い悩みに対するアドバイスを<アイドル時代の前田敦子を「普通の子」と話す、41歳「モテない男」の危ない勘違い>につづきお伝えする。

女性たちが言わない本音

「自分はなにが悪いのかなあ……」と考えるだけではなくて、「自分を選んでもらうにはどうすればいいかなあ」と考え、より選ばれやすいことを実践していく。それが婚活でうまくいく早道ですよ。

おそらく結婚相談所の方からも言われているはずです。重なることもあると思いますが、あなたが改善すべ点をこれからお話ししますね。

まず、実家暮らしというのは、なかなか選んでもらえない大きな理由です。確かにあなたがおっしゃるように、住む場所があって貯蓄があるのはメリットでもあるかもしれません。ただ、それ以上に、なるべく義理の両親とは一緒に住みたくないというのが女性達の本音です。

もちろん、大恋愛の末の結婚ということなら、相手の女性も「あなたのご両親と住んでもいいわ」と、考えてくれるかもしれません。でも、あなたの場合は、大恋愛ではなく婚活をしているわけです。

女性たちは、たくさんの男性の中から条件に応じて人を選んでいきます。大恋愛する前の“ご両親と同居の一軒家”という条件は、プラスではなくマイナス要素となってしまうのです。

あなたは「奥さんは両親の介護はしなくていい」と言っていますが、それって口約束ですし、10年後や20年後の補償にはなりませんよね。なので、同居であれば二世帯住宅ならまだいいけど完全同居というのは、婚活で選んでもらいにくいのです。

もちろん、だからといってすぐに家を出てあなたがひとり暮らしになったら、今度は貯蓄がままならないですよね。

なのでここはひとつ、もし結婚するなら、お相手と相談しながら、住む場所を変えていくとか、まずは賃貸住宅で済んでもいいとか、新しくマンションを購入してもいい……など、相手から選んでもらいやすいようにあなたの価値観を変えていくほうがベターです。

それでもあなたが、「でもやっぱり、千葉で一軒家付きなんだから、相手にしたら金銭的には楽でいいんじゃないか?」と考えるようなら、それはまったく違います。

「もしも逆の立場になったら?」と考えてみてください。もしもお見合い相手から、「埼玉のうちの実家に、両親と同居してください、それが結婚の条件です」と言われたら……? そういうのが嫌なのは、男も女も同じなのです。

理想は十分高い

それとね。あなたは“自分の理想はそれほど高くない”とのことですが、私から見ると、十分高いと思いますよ。前田あっちゃんレベルの美貌なら、かなりモテる人だと思います。その上で、仕事はしてほしいし、インドアで過ごしたい、年下がいい……となると、そういう女性がいるとしても、かなりライバルがいるはずなんです。

最初から条件をどんどん出してしまうと、それだけ狭き門になります。ライバルが多くなります。そういう相手のところには、年収があなたより高くて、ご両親と同居しなくてもいい、億ションを持つ男性がわんさか行くと思いますよ。

おそらく、あなたより年収が高くて、「あっちゃん」と同年代で、両親との同居をしなくてもよくて、自由に生きられるような条件を提示できる男性が、そういう女性と結婚するように思います。

ちょっと厳しいことを言ってしまってごめんなさいね。でも「こういう女性がいい」という願望の全部はかなわないのが、あなたの年代の婚活だと割り切ってください。条件には優先順位をつけて、一番譲れないことを満たしてくれる相手なら、あとは目をつぶることです。

たとえばインドアをつきあってほしいなら、仕事をするしないは任せるとか。同居を望むなら、ほかのすべてはのんで、まずは会ってみるとか。そういう柔軟さが婚活には必要です。特にオトナの婚活には必要なのです。

そして、コミュニケーションがダメなんです……ではなくて「できるように」なってください。最初はむずかしく感じても、何度も練習をするうちに、自然とうまく会話ができるようになります。

幸い、婚吉さんは、仕事でのコミュニケーションなら大丈夫とのこと。それなら、婚活のコミュニケーションもうまくいくはずです。相談所の方の言葉を信じて、レッスンを受けて練習をしてくみてださい。

あるいは、違う機関での婚活講座も受けてみると、あなたに合う方法を発見できるかもしれませんね。相手に質問をする方法や、答えるタイミングなど、身に着けるのはそう難しくないですよ。

それと最後に。過去のアイドル写真集などのオタク的な趣味は、なかなか女性から好まれません。でも、それは、あなたの大事な過去であり、今もお守りのような存在なのですよね? ならば、初対面では話さずに、親しくなってから話すようにしましょう。

アイドルを好きなこと自体は、悪いことではないんですよね。“推し”がいることで、あなたの毎日は楽しかったでしょうし、今の仕事にもつながったわけです。それを理解してくれる人がいないわけではないと思います。

ただ、初対面で相手に話す内容ではないよってことです。まずは、お互いが「ほぼ100パーセント受け入れやすい話題を」。お互いの共通点を見つけては、そのあたりの話で盛り上がっていく。親密になっていく過程で、あなたの今の仕事とからめて話してみればいいと思うのです。

物事には順番がありますよね。あなたを受け入れてもらいやすい状況を作ってから話せばいいんです。

婚活で大切なのは、結婚相談所の方との意思の疎通です。あなたが望むこと、変えていけることなどを、ちゃんと相談員に伝えて、マメにやりとりをしてみてくださいね。そして、少しでも可能性のある相手とは、どんどん会ってみることです。会って話すあいだに、「気が合いそう」と感じることもありますよ。

婚吉さん。2回も結婚した私が言うのもなんですが、人生は結婚がすべてではないとも思うんですよね。でも、あなたが結婚したいのなら、それをかなえてほしいです。そして、かなえるための手順をふんでほしいです。

まだまだだいじょうぶです。人生は、自分で決めた方向に動き出します。どうぞ、もう一度舵を切ってみてください。決めたときから、行動したときから、人生は動き出しますよ。

【安藤さんの答え】婚活の敗因分析を。相手への理想は身の丈レベルにし、両親との同居なしもふまえた婚活を。オタク趣味と会話苦手な面は改善の余地あり。

<アイドル時代の前田敦子を「普通の子」と話す、41歳「モテない男」の危ない勘違い>ほか、安藤房子氏さんの連載は<過去記事の一覧>からどうぞ。

アイドル時代の前田敦子を「普通の子」と話す、41歳「モテない男」の危ない勘違い