スポニチ

写真拡大

 1994年10月に完成し「平成の虎の穴」として多くの猛虎戦士を育てる礎となった兵庫県西宮市にある鳴尾浜の阪神2軍施設は今季をもって終わりを迎え、来年3月には同県尼崎市に完成する新施設に移転する。汗、涙、感動など数々のドラマを生んだ鳴尾浜の30年を振り返る。

 城島健司が現役引退表明した翌日の2012年9月29日、ウエスタン・リーグのオリックス戦に「3番捕手」で先発出場。1000人以上のファンの前で「らしさ」全開のラストプレーを披露した。

 前年6月5日以来のマスクをかぶると「野球人の血が騒いだ」と試合開始直前の二塁送球で代名詞の「城島バズーカ」を発動。「(釣り)竿も持てない。向こう1年はボールを持ちたくない。それほど激痛」と最大要因だった右肘痛を押してまでスタイルを貫いた。

 最終打席は初回無死一、二塁でプロ初安打と同じ中前適時打。代走を送られベンチへ戻ると、予定になかった胴上げで7度、宙を舞った。「最後の最後まで良いことずくめ」。笑顔で18年間のプロ人生に終止符を打った。