巨人・岡本和真(C)日刊ゲンダイ

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 首位巨人と熾烈な優勝争いを繰り広げる2位阪神。23日の直接対決に勝利した巨人の阿部慎之助監督は笑顔を見せ、敗れて2ゲーム差に開いた岡田彰布監督は報道陣の取材に答えることなく、無言で甲子園を後にした。

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 巨人の優勝マジックは「4」。阪神が残り5試合を全勝しても、巨人が残り6試合で4勝すれば2020年以来、4年ぶりの優勝となる。阪神は徳俵に足がかかっているが、GTによるバトルは「両軍の4番」を巡ってグラウンド外にも飛び火するかもしれない。

<場外戦>のカギを握るのは、巨人の岡本和真(28)の去就だ。

 強いメジャー志向がある岡本は昨オフ、球団にポスティング移籍の容認を直訴した。早ければ今オフにもメジャー挑戦する可能性があるという。

「ここにきて岡本を熱心に視察するメジャースカウトも複数います」と、さる代理人筋がこう続ける。

「巨人には、ポスティングを容認する条件があるといわれています。ひとつはチームの成績です。今季、4年ぶりのリーグ優勝を果たすことができれば、容認への道が開かれる可能性はあるとみています」

 岡本はここまで打率.273、26本塁打、78打点。昨季より数字を落としてはいるものの、本塁打と打点はヤクルトの村上に次ぐリーグ2位につけ、3年ぶりの打点王の可能性を残している。

「今季のプロ野球は投高打低が顕著。昨季まで6年連続で30本塁打をマークしていますし、昨年のWBCでも国際大会での適応力の高さを見せた。打撃に関しては問題はないでしょう。しかも一塁、三塁の守備は安定していますし、外野を守ることもできる。ポスティングが認められれば、複数球団による争奪戦に発展するのは間違いありません」(前出の代理人筋)

 仮に岡本がメジャー挑戦することになれば、巨人は「不動の4番」を失うことになる。その穴は簡単には埋まらないだろうが、そこで補強候補に浮上するのが今季、国内FA権を取得した阪神の主砲・大山悠輔(29)だという。

 在阪の野球評論家がこう言う。

資金力では巨人が有利

「大山は阪神残留が基本線とみられますが、阪神との下交渉は難航していると聞きました。今後の交渉次第では、FA宣言も視野に入る。大山は関東の茨城出身で、在京志向もあるようです。一塁、三塁が守れる長距離砲の獲得に乗り出しそうな在京球団は、巨人と西武、ロッテでしょう。ヤクルトとDeNAには一塁と三塁に不動のレギュラーがいますからね。中でも巨人は、岡本の代役として、大山に魅力を感じているはずです」

 大山の今季年俸は2億8000万円でAランクとみられている。FA権を行使すれば「4年12億円」以上の大型契約に発展する可能性がある。資金力で巨人が有利だ。

「大山は昨季、最高出塁率(.403)のタイトルを獲得。今年は前半戦こそ不調だったものの、7月以降は打率.307、9本塁打、41打点と本来の実力を発揮しています。ただ、これまで阪神からFAで巨人入りした選手は一人もいない。阪神からFAで巨人に移籍すれば、日本一熱狂的といわれるファンの反発は避けられない。球団にも『他球団ならまだしも、宿敵に引き抜かれるなんて、もってのほか』という意識がある。大山がこれをどう捉えているかどうかはさておき、これまでは球団や選手がこうしたファンの反発を恐れていたのは確かです」(前出の野球評論家)

 いずれにせよ、虎の主砲が巨人へFA移籍すれば史上初の一大事。優勝争いに加え、場外戦も見ものだ。

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 記事本文中にもあるように、大山は今季の開幕早々に大きく躓いた。自信喪失のあまり、岡田監督に自ら二軍降格を直訴したほどだ。いったいなぜ不調に陥ったのか。コーチ経験のある球団OBが指摘した「原因」とは。

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