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 ヤクルトは24日、高津臣吾監督(55)の来季続投を発表した。同日、都内で会談し、契約を1年延長することで基本合意。2年契約の最終年となる今季はここまで最下位に低迷するが、21、22年とリーグ連覇に導いた指揮官にV奪還が託されることとなった。

 就任6年目のシーズンは背水の陣で挑む。高津監督は2年連続Bクラスという厳しい現実の責任を重く受け止めた上で、球団を通じて「この成績にもかかわらず、来季の監督の要請をしていただいたことに感謝しています。チームを再建するのは簡単なことではありませんが、身を削る思いで努力します」と悲壮な決意を明かした。

 借金18の最下位に沈むチームは、リーグワーストの防御率3・70。長年の課題である投手陣を整備しきれなかったことが、低迷を招いた最大の要因だ。一方で、今季は主力に故障者が続出。序盤戦に塩見が左膝前十字じん帯と半月板の損傷で長期離脱。山田やサンタナ、中村らが戦列を離れる時期もあり、万全のオーダーを組めなかったことは大きな誤算だった。

 林田哲哉球団社長は続投を要請した理由について「高津監督の経験は捨てがたい。ケガも多々あり、チームとして負の部分を皆でカバーし合えなかった。監督の責任が全てじゃない」と説明。一方で「優勝できなかった時は私も含めて、どういう形で責任を取るかは別にして、単年契約で球団も監督も持てる力の全てを出していく」とV奪還を厳命した。設定された高いハードルをクリアするべく、今後はコーチ人事や補強などチーム再建に向けた体制を整えていく。

 ◇高津 臣吾(たかつ・しんご)1968年(昭43)11月25日生まれ、広島県出身の55歳。広島工―亜大を経て、90年ドラフト3位でヤクルト入団。4度の最優秀救援投手に輝き、03年オフにホワイトソックスにFA移籍。メッツを経て06年にヤクルトに復帰した。その後、韓国、台湾でもプレーし、BCリーグの新潟で12年に現役引退。14年にヤクルトの1軍投手コーチに就任し、17年に2軍監督、20年に1軍監督。通算286セーブは歴代2位。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

 ▽ヤクルト監督の長期政権 20年から指揮を執る高津監督は来季が6年目。チームの監督では90〜98年野村克也の9年、99〜05年若松勉の7年に次ぎ、11〜14、18、19年小川淳司の6年(監督代行年は除く)に並ぶ3位タイの長期政権になる。