マーリンズ戦で「51-51」を達成したドジャースの大谷翔平【写真:ロイター】

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大谷翔平が3打席連発&2盗塁で「51-51」達成

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手は19日(日本時間20日)、敵地マイアミで行われたマーリンズ戦に「1番・DH」で先発出場し、6打数6安打、3本塁打10打点、2盗塁と大暴れした。3打席連発で自身の最多記録を一気に「51本塁打&51盗塁」にまで伸ばす大爆発。敵地記者はTHE ANSWERの取材に「野球をより国際的にした」と語った。

「50-50」まであと2本塁打、1盗塁でこの試合を迎えた大谷。初回に右中間二塁打で出塁し、三盗で今季50個目の盗塁に成功した。2回には右前適時打の後、二盗で51個目。3回に2点二塁打、6回には1死二塁から右翼へ49号2ランだ。7回には左翼へ50号2ラン。9回2死一、二塁には飛距離134.1メートルの51号3ランを右翼上階席に突き刺した。

 50号に王手がかかって以降、打席に入るたびに球場全体のファンが立ち上がって大歓声。敵地にもかかわらず、ボールが先行するとブーイングが鳴り響いた。3連戦で4発を放った大谷。敵地の記者も大興奮するばかりだった。

 取材に応じたのは、マーリンズ専門メディア「フィッシュ・オン・ファースト」のケビン・バラル記者。大谷に何度もスタンディングオベーションが贈られ、「偉業(50-50)に近づいていたからファンも見たかっただろうし、マーリンズの今季の状態を考えれば理解できるよね。1万7000人以上がショウヘイのような選手を見に駆けつけた」と振り返った。

 マーリンズは56勝97敗で借金41。ナ・リーグ東地区で圧倒的最下位に沈み、プレーオフ進出の可能性はとうに消滅していた。観客動員数は17日は1万7902人、18日は1万7138人、19日は1万5549人。他球場に比べれば多いとは言えないが、同曜日同会場で開催された今月3日のナショナルズ戦(6854人)から2.6倍になった。

バラル記者「野球をより国際的にした」

 同球団の取材歴4年目のバラル記者は「(大谷の本塁打を)見られたことはクールだよ。ショウヘイは行く場所、行く場所でスタンディングオベーションを受けるだろうね」と感服した様子。敵地のファンまで魅了する二刀流の存在意義を強調した。

「とても大きいことだよ。ここではあまり多くのファンが見に来ない。今日(19日)はマイアミのファンにとってショウヘイを見る最後の機会。マイアミではなかなか見られないほどのファンを連れてきているよね。野球をより国際的にしてファンを増やしている。野球が発展するチャンスだよ。球場にファンを集め、テレビでも観戦するファンを増やしているから球界にとっていいことだ」

 エンゼルス時代の大谷も取材。「スーパースターに会った時のようにドギマギしてしまう感じだよね」と印象に残る選手だった。ドジャースと10年7億ドル(1014億円=当時)の巨額契約を結んだ二刀流。バラル記者は「衝撃を受けた。野球がビジネス面でどれほど伸びしろがあるかが見られた例だったね」と野球界にとってプラスしかないという。

 ナ・リーグのMVP候補最有力に挙がる中、「もちろん、彼が余裕でMVPだ。とてもクールなことだ。間違いなく最有力候補だね」と推薦。「(MVP候補の)リンドーアもチャンスはあるだろうけど、ショウヘイが50-50を達成したら議論は難しいよ」と決定的と言わんばかりだった。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)