4年ぶりの『a-nation』東方神起、浜崎あゆみ、WEST.、 GENERATIONS、NiziUら超豪華アーティストの共演でその魅力を見せつける
『a-nation 2024』2024.09.01(sun)味の素スタジアム
2002年のスタート以来、来場者数が累計600万人を超える大規模音楽イベント『a-nation』はその人気を拡大し続けてきた。そして今年4年ぶりとなる『a-nation 2024』を開催。東方神起、浜崎あゆみ、WEST.、 GENERATIONS、NiziUら超豪華アーティストが共演、日本有数の夏フェスが帰ってきた。
NCT WISH
NCT WISH
マリンルックの夏らしい衣装で登場したNCT WISHは、優しくも儚げな微笑みでトップを飾った。「Hands Up」では爽やかに客席のテンションを上げ、清涼感溢れるトラックに優しく乗せたボーカルが映える「Sail Away (Japanese Ver.)」では、キュートな振付に黄色い歓声が飛んだ。しかし、彼らの魅力は甘さばかりではない。随所で見せる柔らかさと力強さが同居するダンスに思わず唸った。
MAZZEL
MAZZEL
ホッケーシャツやメタルTeeなどそれぞれの個性を活かしたスタイルでステージに現れた8人は、時にクールに、時に不敵な笑みを浮かべながら自信に満ちたパフォーマンスを見せた。巧みなマイクリレーで「CAME TO DANCE」の印象的なベースラインを乗りこなし、観客はタオルを振り回してそれに応えた。クールなビートと反対に熱量を増していくトリッキーな「K&K」が特に痺れた。
NiziU
NiziU
NiziUバンドを引き連れ、「Make you happy」でいきなり巨大な会場をひとつにし、そのあとも9人が一丸となって楽曲を畳みかけた。RIMAのラップが冴え渡る「JUMP」などを含むメドレーのあとは、全国民が一度は耳にしたことがあるであろう「Take a picture」で大団円。日本を代表するポップアクトのひとつとして、華やかさのなかにも貫禄を漂わせるパフォーマンスを見せた。場内の熱気が一段と高まるのを感じた。
WEST.
WEST. / ナインティナイン
「熱血アイドルWEST.参上!」という神山智洋の挨拶にひときわ大きな歓声が上がった。彼の言葉はただのレトリックではない。勢い余って重岡大毅がステージですっ転んでも目はギラッギラに燃えていた。「ホルモン~関西に伝わりしダイアモンド~」と「ええじゃないか」では、サプライズゲストのナインティナインの力も借りて大盛り上がり。初登場の場所でもWEST.は観客の心を掴むのがとにかく上手い。アイドルなんだけど、終始ライブバンドのような暑苦しさで駆け抜けた。最後、曇天の味スタに陽の光が差したのはあまりに出来すぎだろう。
Red Velvet
Red Velvet
彼女たちの名前がスクリーンに表示された瞬間、黄色い歓声が上がった。ハイトーンを駆使した「Wildside」から始まり、「G線上のアリア」を引用した「Feel My Rhythm」では大人な雰囲気で味スタを包み込んだ。その後、この日一番の大雨に見舞われたが、「Swimming Pool」ではメンバー全員が果敢にランウェイの先端へと飛び出し、明るく盛り上げる。雨にも負けない大歓声も味方につけ、ファンとの結びつきの強さとプロ根性を感じさせるひとときとなった。
倖田來未
倖田來未
a-nationという場所は倖田來未にとって庭みたいなものなんだなと思った。「初めて観る人~?」という呼びかけに多くの手が上がったが、全員が自分のファンだというぐらい堂々たる、そして余裕たっぷりな姿勢がカッコよかった。イヤモニにトラブルがあってもなんのその。客席にいる一人ひとりに手を振って心でつながろうとした。こういう姿勢が彼女をQueen of LIVEへと押し上げたんだと再認識。
Da-iCE
Da-iCE
のっけからアカペラバージョンの「CITRUS」で大歓声を浴びた5人はさすがのライブ巧者。「Kertell」や「Story」のようにバンド映え、ライブ映えする楽曲の数々を持ちつつ、サービス精神も忘れない。なんと、ラスト「スターマイン」でGENERATIONS の白濱亜嵐が飛び入りしたのだ。しかも、ラスサビを延々繰り返したあと、警備員が登場して演奏を止められるというエンディング。おもろカッコよすぎるでしょう。
GENERATIONS
GENERATIONS
バンドの生演奏がグッと前に出たパフォーマンスは生々しさが増し、歌もダンスも人間臭さが際立つステージとなった。さっきのお返しとばかりにDa-iCEが登場し、「Hard Knock Days」と「DREAMIN' ON」というTVアニメ「ONE PIECE」のお互いの主題歌をコラボ。スカ調の「NOW or NEVER」ではタオルを振り回し、観客全員しゃがんでからジャンプしたり、ヘドバンをしたりとあらゆる盛り上げ技を駆使。ラストは「Y.M.C.A」で会場中がひとつに。気づけばメンバーの半数が上裸になるほど熱い時間となった。
浜崎あゆみ
浜崎あゆみ
カウントダウンのあとに登場したのは、象徴的なロゴが描かれたフラッグを持った、総勢40人はいると思われるダンサーたち。その圧巻の光景の背後から聞こえてきたのはあのメロディ、「Boys&Girls」だ。リッチなバンド演奏とともに最高の笑顔で歌い上げたあとは「Fly high」。すると、近くにいた観客が「ああ、『夏始まった』って感じがする……」とひと言。まったくの同感だ。先ほどとは打って変わって、「HANABI」では今にも泣き出しそうな切実な表情で歌う浜崎の歌唱にグッと引き込まれる。
浜崎あゆみ / 浦田直也
続いて、浦田直也とのデュエットで「ANother song」を歌い上げ、「Greatful days」や「evolution」など、メドレーにしてしまうにはあまりに惜しい曲たちをシームレスに披露。「evolution」のラストでは、舌を出してウィンクをしながらピースサインを見せた浜崎。かわいい。彼女の単独ライブに来たのかと錯覚するほど飲み込まれた。細部にまで浜崎あゆみというアーティストのこだわりが垣間見えたし、彼女だけでなく、ダンサーの一人ひとりに至るまで気合が入っている様子がしっかり伝わってきた。なんて気持ちのいいライブだったんだろう。
東方神起
東方神起
会場入口で無料配布された光るウチワで先ほどまで青く染まっていたa-nationが一気に真っ赤になった。今年のトリ、東方神起が現れるからだ。初っ端から音玉とフレーマーを使ったド派手なパフォーマンスでユンホとチャンミンは味スタを牽引。恵まれた体躯から繰り出される一挙手一投足は美しくしなやかで、無駄がない。2人のパフォーマンスは実に不思議だ。自然なように見えて計算されているような、スキがあるようでまったくないような……。こういう完成のされ方もあるのかと圧倒された。K-POPのレジェンドともなるとこの域にまで達するのか。目が離せない。
カッコいいだけではない。「どうもー、改めまして東方神起でーす!」というくだりをMCごとに繰り返し、「いやいや、もういいでしょう」「東方神起はあまりチャンスがないのでねえ」という日本の芸人顔負けの天丼をする始末。2人とも日本語が流暢なのでテンポがかなりいい。強い。
東方神起
イントロで大歓声が上がった「どうして君を好きになってしまったんだろう?」では温かみのある歌唱を披露したかと思えば、「Why? [Keep Your Head Down]」ではヘヴィなロックナンバーで味スタを揺らす。さらに、メドレーではトロッコに乗り込み、大熱狂の中、2人はプレゼントのフリスビーを客席へと投げ入れるのだった。トロッコから降りる直前、ユンホは余ったフリスビーを筆者が座っていた辺りへと大量に投げ入れ。周囲はもう大熱狂。東方神起としてのパワーを見せつけただけでなく、a-nation 2024のトリを見事につとめあげたのだった。
取材・文=阿刀"DA"大志
『a-nation 2024』