解釈基準的には「第一種特別役物若しくは役物連続作動装置の作動終了時又はリードライトメモリの初期化時に、あらかじめ定められた一の規定数に固定する機能を有しても本規定に抵触しない」と記されています。わかりやすく説明すると、ボーナス後にベット(掛け)枚数を固定できるようになるものです。

 この使用例を簡単に説明すると、ベット枚数でボーナス確率が変化させられるのはこれまでどおり。それを利用して、例えば通常時は3枚掛けに固定して遊技し、BIG終了後は2枚がけに固定して遊技。2枚掛けでの遊技は、3枚掛けよりも確率を高く設定しておけば、ボーナス確率が上がった状態でプレイすることが可能です。

 そして、REG後は再び3枚掛けに固定すれば、BIG後はREG当選までボーナス確率をアップさせられ、実質的なボーナス連チャン状態を作れることになります。

 もちろんそんな単純なゲーム性以外にもいろいろなことが考えられますが、これまでパチスロのボーナスに認められなかった“確率変動的な連チャン”だけでも十分に魅力的なのは間違いないでしょう。

◆適度な射幸性と社会状況

 連チャンという魅惑のフレーズは、すなわち射幸性がアップするのとイコールです。それだけでいいのか、もっと射幸性以外にも魅力をあげる方策があるのではないか、という話にもなりがちですが、適度な射幸性は必要不可欠でしょう。

 どこまでが適度なのかは、最終的に「行政が社会情勢を鑑みて……」というのがこれまでの流れであったように、最終的には落ち着くところに落ち着くのかなと思います。筆者は財布的に万枚上等のスマスロはあまり手を出せませんが、かつて大好物だった裏モノを再現できそうなボーナストリガーには素直に期待しています。

◆パチスロを揺るがす解釈基準の改正も…

 ところで今回の解釈基準の改正では「遊技機が発する音声を信号に変換し、遊技機外の機械又は装置に送信する機能のみを有する装置(当該装置によって送信された信号を受信する機器と接続するために必要な信号を送受信する機能を有するものを含む。)により遊技機外の機械又は装置と信号を送受信することは、本規定に抵触しない」という一文も。

 これによってヘッドホン端子やブルートゥース機器も接続できるようになり、音量最大で遊ぶ迷惑な人が減るのにも期待できそうすね。ただそういう人はそもそも周囲を一切気にしないから、わざわざヘッドホンで楽しむなんてことをしない可能性が高いのかな(苦笑)。

 また最後にひとつ、今回の解釈基準で初めてパチスロにおいて「指示」、つまりATやARTに欠かせない指示機能についての言葉が登場しました。これについては改めて考えてみる予定です。

 実はかなり大きな出来事なのではないかなと思うのですが……。

文/キム・ラモーン

【キム・ラモーン】
ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。