捨てることが苦手で、持ちものの適正量がわからず、家の片づけが進まない! 整理収納アドバイザーとして、数多くの散らかった家の片づけ指導を行うおまいさんは、「ものはどのくらい持つのが正解?」というお悩みが頻繁によせられるそう。しかし、片づかない理由は「適正量がわからない」からではないそう。片づかない本当の理由をおまいさんに聞きました。

ものの量は仮でもいいから自分で決めることが大切?

「服は何着必要ですか?」「おたまいくつ持ってますか?」「水筒はいくつ持ってますか?」「シーツの予備ってありますか?」

【写真】すっきりとしたおまいさん宅の台所

1億回は聞かれたことのあるこちらの質問。質問したい気持ち、めちゃくちゃわかります(笑)。なぜなら、私も昔同じことを疑問に思っていたから。

その答えが分かると思って開いた整理収納アドバイザーのテキストには、「仮でいいから、自分で決めることが大切です」と書かれていて…。「逆や逆! 仮でいいから決めてくれや!」と心底がっかりしたことを今も覚えています。

片づけが苦手な人は完璧主義が多い

でも今ならわかるんです。必要なものを「自分で選ぶ」、必要な数を「自分で決める」という行為こそが大事なんですよね。

片づけが苦手な方って、捨てることが苦手と思っているかもしれませんが、本質は違います。「自分の価値観で、勇気を持って、決めること」が圧倒的に苦手なんですよね。なぜなら片づけが苦手な方には完璧主義の方が多いから。自分で決めて失敗するのが怖い、捨てて後悔するのが怖い、もらい物を捨てたら薄情だと思われるかもしれない。だから、失敗しないよう正解を教えてほしいという思考をもっています。

正解を探してるから捨てられない

「ならば、ミニマリストの方の個数をまねしてみてはどうでしょう? 靴は3足、コップは1人1つ、ストックは持たない!」と、アドバイスされたらどう感じますか? 「それは無理! っていうか、そこまでしたいわけちゃうねん!」って気持ちになった方もいるでしょう。結局、ものの数に正解なんてないんですよね。

家族構成も、ライフスタイルも、間取りも、趣味嗜好も性格も…なにもかも違う他人が心地いいと感じる数と、あなたが心地いいと感じる数は絶対に違う。数に正解はないんです。

正解がないからこそ、自分はどんな暮らしをしたいのか? を思い浮かべて、その暮らしに「これは本当にいるのか?」を自分で決めるしかない。自分の人生は自分で決めるしかないように、家の中のものも自分で決めるしかないんです。

ものを捨てることは「決断力を養う」練習

ただ問題は、完璧主義の人にとって、「自分で選ぶ」「自分で決める」って簡単なことじゃないこと。ものに優先順位をつけて、優先順位の低いものを手放すって不安だし、怖い気持ちになることもあるでしょう。でも家の中のものも自分で決められない人って、自分の人生もうまく決められてないのではないかなって思うんですよね。

環境に選ばされてはいませんか? いつもだれかに振り回されて疲れていませんか? だれかの価値観を満たすために生きてませんか? だれよりも、私がそうだったから。

ぜひ、決断力を養う練習だと思って、家の中のものを自分の価値観で勇気を持って決めてみてくださいね。