『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』(写真はJTBC公式サイトより)

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 ウィ・ハジュンがチョン・リョウォン演じる年上の恩師へ一途な想いを寄せた韓国ドラマ『卒業』で、久しぶりにときめいた人も多かったのではないだろうか。今回は胸キュン必至の“年の差恋愛”を描いたおすすめ韓国ドラマ3選を紹介しよう。

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『私の名前はキム・サムスン』 パティシエのキム・サムスンと年下の実業家ヒョン・ジノンの恋愛模様を描いた『私の名前はキム・サムスン』。2005年に放送され、サムスンをキム・ソナ、ジノンをヒョンビンが演じ、笑いあり涙ありの年の差恋愛ドラマの名作となった。

 サムスンは、パリに留学経験もある実力派パティシエ。クリスマスイブに恋人にフラれ、パティシエの仕事も失うという最悪の状態でジノンと出会う。亡くなった父親の借金を肩代わりしたサムスンは、ジノンが高額な報酬をエサに提案する偽装恋愛の契約にしぶしぶ応じ、ジノンが経営するレストランでパティシエとして働き始めるが……。

 20年近く前に放送されたとあって「女性は30歳を過ぎると仕事も恋愛も厳しくなる」という時代錯誤な考えがベースにあるのは引いてしまうが、そんなことに負けないサムスンを演じるキム・ソナがたくましくキュートだ。元気で一生懸命、パティシエという仕事に誇りを持ち、そして情が厚い。魅力的なヒロインの要素すべてを持っていると言っていいだろう。

 サムスンに振り回されながらも次第に恋心を抱いていくジノンを演じるヒョンビンは、この作品をきっかけに「御曹司役が似合うスター」の地位を築いたと言える。本作で演じたジノンは、恵まれた家庭に育ち、仕事もできる青年実業家だが、過去に兄を亡くしたり、悲しい恋愛をしたりしたトラウマを抱えていた。新しい恋愛に対して臆病になっていたジノンの心を溶かしたのが年上のパティシエ、サムスンだったわけだ。

 2人がそれぞれの想いに気付くまで時間がかかり、めでたく両想いになったと思ったら、ジノンの元恋人、ヒジン(チョン・リョウォン)が現れる。若くてきれいなヒジンの登場でサムスンの心は乱れるが、自分の気持ちを大切にしてジノンへの愛を貫く。

 年下の男性を好きになってしまったサムスンの揺れる気持ちをリアルに演じたキム・ソナに共感する女性は多いだろう。そして「もう! 何やってんのよ!」とツッコミどころ満載の年下男子、ジノンを演じるヒョンビンの初々しさをぜひ本作で感じてほしい。

『恋愛ワードを入力してください~Search WWW~』

 イム・スジョン、イ・ダヒ、チョン・ヘジンの3人がいわゆる「バリキャリ」を演じて話題になった『恋愛ワードを入力してください~Search WWW~』。3人の女性を取り巻く恋愛だけでなく、インターネット業界のリアルを描いた興味深い作品となっている。

 イム・スジョンが演じるぺ・タミは、インターネット業界でNo1のユニコーンでサービス戦略本部長を務めていたが、理不尽な理由で解雇される。ライバル会社のバロに転職し、自分を追いやったユニコーンを見返してやろうと仕事に邁進するが、ある日年下のパク・モゴン(チャン・ギヨン)と出会い恋に落ちる。

 個人的に「年上女性に恋する役を演じさせたらピカイチ!」と感じているチャン・ギヨンは、本作でも胸キュンポイントを確実に攻めてくる。年下の男性にアプローチされ、戸惑うタミに対して無邪気にアタックする姿は、まさに本領発揮といえるだろう。

 そしてもう1組、年下の無名俳優、ソル・ジファン(イ・ジェウク)に恋をしたタミの同僚でライバルでもあるチャ・ヒョン(イ・ダヒ)が良い。日頃はバリバリ仕事をしているヒョンは、朝ドラに夢中になっている意外な一面を持っている。朝ドラに出演している俳優・ジファンと運命的な出会いをして、彼が俳優として飛躍できるように持ち前のバイタリティでサポートを始めるが、やがて恋心に発展していく。

 このドラマで圧倒的な存在感を示したイ・ジェウクは、無名俳優に尽くしてくれるヒョンに戸惑いながらも惹かれていく純粋な年下男子をフレッシュに演じた。イ・ジェウクはこの作品をきっかけに、さまざまなドラマで主要な役を演じるようになり、スターとなっていった。

 そして年下男子との恋模様ではないが、タミを陥れたユニコーンの代表理事ソン・ガギョン(チョン・ヘジン)と夫のオ・ジヌ(チ・スンヒョン)が、愛のない結婚から10年を経て、お互いの気持ちに素直になっていく様子にも考えさせられる。

 仕事に恋に全力投球する3人の女性、その女性を愛する3人の男性の生きざまを目に焼き付けてほしい。

『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』

 パク・ミニョンとソン・ガンが共演することで話題となった『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』。仕事熱心で優秀な気象予報士のチン・ハギョン(パク・ミニョン)は、職場恋愛で結婚間近だったハン・ギジュン(ユン・パク)の浮気が発覚したことで破談になり、心に傷を抱えていた。そんな中、若い気象予報士、イ・シウ(ソン・ガン)が転任してきて一波乱起こりそうな雰囲気に……。

 序盤から恋人にひどい仕打ちを受けるハギョン。二度と社内恋愛はしないと心に誓った矢先に、酔った勢いでシウと一夜を共にしてしまう。「ちょっと展開が早いんじゃないの!?」と思うものの、2人が特別な関係になるシーンでは、シウの野性的な一面が垣間見えてドキドキしてしまう。

 恋人同士になったハギョンとシウは、気象庁の同僚にバレないように恋を育んでいくが、2人の足かせになるのは年の差ではなく「毒親」の存在だった。

 タイプは違うがハギョンもシウも親の呪縛から逃れられず、苦しむ姿が描かれる。どうしようもない父親を抱えているため結婚を諦めているシウ、「結婚こそがすべて」という価値観の母親に押しつぶされそうになるハギョン。年の差よりもこうした外部の圧力で、悩むハギョンとシウに切ない想いを抱く人は多いだろう。

 気象庁の人々の仕事ぶりも丁寧に描き、各話のタイトルに気象用語が入っているのも興味深い。苦しい場面もあるが、何よりもパク・ミニョンとソン・ガンの並びが美しく、見ているだけで幸せな気分になれるし、無邪気な笑顔を見せるソン・ガンに胸キュン必至だ。(文=咲田真菜)