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人気の芸能人ともなれば、私生活の動向まで興味関心の対象にされる。

芸能人が自分だけでなく、配偶者や子どもなどの家族の写真をSNSで公開することも一般的となった。

とはいえ、週刊誌などのメディアが「芸能人の家族のプライベート」を撮影・公開することは、どこまで許容されるのだろうか。

近年は芸能人側が「NO!」を公言する機会も出てきている。先日は芸人の有吉弘行さんが、2021年には俳優の福山雅治さんが抗議の意思を示している。

「芸能人の家族の報道」について、弁護士ドットコムニュースが読者に考えを聞いたところ、「賛成」「反対」含めて、さまざまな意見が寄せられた。

●有吉さんのX投稿「盗撮やめてください」、3年前には福山さん「変わっていく時期」

先日、人気芸人の有吉弘行さんが「どうか家族の盗撮やめてください」「一般人の写真を載せたり生後数ヶ月の子供の写真に未成年の犯罪者みたいにモザイクかけてまで掲載。まあイヤでしょ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

これは写真週刊誌『フライデー』のデジタル版で、妻で元フリーアナウンサー・夏目三久さんと子どもとの外出姿が公開されたことを受けてのものだ。

2021年7月には、妻で女優の吹石一恵さんと子どもの写真を掲載した同誌の記事に対して、俳優で歌手の福山雅治さんが「子どもの写真を撮られるということにおいて、それが掲載されかつ販売物となって世の中に出ていくということにおいて、黙っているということはできない」とラジオで発言した。

デビューから長らくゴシップをスルーしてきた福山さんによる異例の言及として大きな話題になった。

福山さんは発信の理由について「子どもが納得してもらえる状況をつくるためには、違うと思っていることや嫌だと思っていることはきちんと発言し発信していくべきなんじゃないかと思っている」「2021年のこの現在から未来において変わっていく時期なのかな」などと説明している。

それから3年がたった。弁護士ドットコムニュースが「芸能人の家族」の報道に関する意見を募集したところ、多くの意見が寄せられた。ここからは読者の考えを紹介していく。

●「芸能人の家族の写真を取り上げるではない」

まずは、芸能人の家族の写真や、芸能人が家族と過ごすオフショットは取り上げるべきではないという立場からの意見を紹介する。

「有吉さんの件、家族とのオフショットは報じるべきではないと思います。芸能人も勤務時間外は一般人の私たちと立場は同じだと思うからです。報道の自由と言いますが、必要以上の情報は求めません。せめて、ご本人からの承諾を頂いてから報道すべきです」(女性・40代後半)

「芸能人の家族報道は、基本的には報じるべきではないと思います。家族を報じたければ、せめて芸能人のご本人に承諾を得てからかと。芸能人には家族の話題をウリにしたい方もいると思うので…。勝手に家族の写真を掲載する週刊誌やネット記事にも嫌悪感を覚えます。

特に子供の写真や個人情報につながる話題をメディアが勝手に晒さないように、法整備した方が良いと思っています。微力ですが、この手の記事は見ない買わないを徹底します。有吉さん一家が安心して生活できますように」(女性・40代)

「関心はあるし、見られたら嬉しい。だけど今の報道には、節操がない。一個人の時間を興味本位で脅かしてはいけません」(女性・60代)

「将来子供が傷ついたらどうするつもりなのか?」(記載なし)

福山雅治さんのファンからも「ただでさえ一般人に盗撮されている人も多くて気の毒だから、有名人でもプライベートは安心して過ごしてほしい」という声が届いた。

「プライベート中に家族を週刊誌が勝手に撮影して、子供はモザイクすれば載せていいというやり方に福山雅治さんがラジオで苦言を呈していました。有名人だから盗撮されてよいという発想もファンとしても許せないです。プライベートの様子はテレビのトーク番組等でご本人が伝える形が1番いいと思います」(女性・30代)

●「芸能人本人のプライベート情報も必要ない」

家族の情報はおろか、芸能人本人のプライベートの情報も必要ないという意見も少なくなかった。

「人権侵害とも言える問題だと、常々思っています。芸人であろうとも、プライバシーの部分については、報道の自由は制限されるべきだと考えます」(記載なし)

「昔むかし私が子どもの頃は、芸能人夫妻の離婚問題を取り上げられる際に、モザイクなしで子どもの映像が出ていました。今でも芸能人のプライバシーに関する問題について、公私の区別をつけることは難しいですが、明らかにプライベートを過ごしておられる時には、プライバシーの権利を厳しく行使出来るようにしても良いと考えます」(男性・51歳)

「山口百恵さんとか、中森明菜さんとか、正直プライベートが気になる芸能人はいます。でも、本人が嫌だと言うのであれば、取り上げるのはやめるしかない。本人に確認してからの掲載がよいと思います」

「芸能人のプライベートは今後一切報じられなくて良いと思うくらい、どうでもいいニュースです。時代の変化とともに、表舞台で活動する方々のプライバシーも、守られるべきものへ変化するべきです」(女性・30代)

●「芸能人とその家族のプライベートを取り上げても良い」

ここまではプライベートは守られるべきという意見を取り上げたが、芸能人であれば、家族やプライベートを報じられても「仕方ない」との意見も複数あった。

「『あの芸能人、芸能界辞めてからどうなったんだろう?』と報道を待ち望む人がいる限り、報道合戦はなくならない。一度でも芸能界にいたならば、写真を撮影(隠し撮り)されても仕方がないと思います」(女性・50代)

「芸能人、その家族、一般人いずれも、公道や公園など公共の場所での撮影は許されるべき。ただ、発表媒体が写真の掲載には責任を持つべき」(男性・70代)。

「世の中往々にして、外面の良い人というのは存在する。家族に対する顔こそが本性だと思う。家族の顔にモザイク、住所が非公開なら良し。芸能人の家庭での姿の話題は強く興味を引く」(男性・60代)

「芸能人なら家族のことを報じられても仕方ない。離婚や不倫は報じるのに『幸せそうでした』という情報は報じたらダメなの?」(女性・40代)

「相手が芸能人であれば、配偶者は必然的に世の中の関心事になるわけです。本当に嫌なら引退されるべきですし、なぜ一般人と結婚したのか」(女性・60代)

弁護士ドットコムニュースでは、引退した芸能人の顔写真を報じても良いものかを法的な観点から解説している。