将棋の藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、21)に山崎隆之八段(43)が挑戦する第95期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が7月1日、愛知県名古屋市の「万松寺」で行われている。対局前日に行われたインタビューでは、先月20日に失冠した叡王戦五番勝負を「やむを得ない結果」と総括。「取り組んでいくこと、気持ちも大きくは変わらない」と前を向き、新たな戦いへと視線を向けた。

【映像】インタビューに応じる藤井棋聖の表情

 藤井棋聖が防衛5連覇に王手をかけて迎えた注目のシリーズ第3局。決着局になる可能性がある一局だが、「そのことはあまり意識せず対局に臨みたい」とコメントしていた。また、防衛達成の場合、自身初となる永世棋聖の資格を獲得する。「結果はついてくるものなので、一手一手考えて良い将棋にするということを意識して指したい」とあくまで冷静に目の前の一局を見据えていた。

 藤井棋聖は、6月20日に閉幕した第9期叡王戦五番勝負を2勝3敗で敗れ、挑戦者だった伊藤匠叡王(21)にタイトルを譲る結果となった。2020年度の棋聖戦で初タイトルを獲得以来、奪取と防衛を重ねてきた藤井棋聖にとっては、初めての失冠を喫することとなった。しかし、藤井棋聖は「内容的にも少なからずミスが出てしまっていたので、やむを得ない結果だったかなと受け止めています」と総括。すでにその視線は次なる戦いへと向けられていた。

 叡王戦第5局から、本局を迎えるまで約10日間については「取り組んでいくことは大きく変わらないと思っているので、気持ちの上でもそれほど大きくは変わらず過ごしていました」とコメント。髪も短く整えた様子で、「体調も問題なく、叡王戦から少し間隔が空いたので対局はやってみないとわからないところはあります」とし、フフッと笑顔を見せる場面もあった。

 地元・愛知県での第3局に向けて「大きな一局でもありますし、地元の方に注目していただける機会なので、良い将棋にできるように全力を尽くしたい」と集中力を高めていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)