運賃値上げについて説明する綿貫社長(28日、JR北海道本社で)=木田諒一朗撮影

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 JR北海道は28日、2025年4月からの運賃値上げ国土交通省に申請した。

 値上げ幅は平均7・6%で、初乗り運賃は現行より10円高い210円となる。物価高騰や人材確保に向けた待遇改善が主な理由だ。

 値上げは19年10月以来。前回は平均9・1%の値上げ幅で、消費税率引き上げ分と合わせると11・1%だった。

 札幌―新千歳空港間は80円高い1230円となる。通勤定期は22・5%、通学定期は10・5%値上げする。競合するバス路線の料金を踏まえ、特急料金や座席指定料金は据え置く。

 JR北は、値上げにより年間37億円の増収を見込む。値上げ分を原資に、札幌―新千歳空港間を運行する「快速エアポート」の車両を更新して定員を増やし、混雑緩和を図る。また、駅のバリアフリー化や、シカの衝突防止柵を設ける区間を延ばすことなどを予定している。

 札幌市中央区の本社で記者会見した綿貫泰之社長は「物価の高騰や、人材の確保で苦労しているのが実態で、ご理解いただきたい。単なる値上げではなく、利用者への利便性向上も合わせて進めたい」と語り、理解を求めた。