【ラジオNIKKEI賞/追い切り診断】実力上位の有力候補に辛口「B」評価 「迫力物足りず一本調子の走り」で重賞Vに疑問

写真拡大

第73回ラジオNIKKEI賞(30日/GIII、福島芝1800m)には、青葉賞は不利を受け人馬とも不完全燃焼のサトノシュトラーセ、ウイン×松岡騎手の鉄板コンビ・ウインマクシマム、先週GIジョッキーとなった菅原明良騎手が手綱を取るショーマンフリートが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「サトノシュトラーセ」を取り上げる。

■サトノシュトラーセ

【中間調整】デビュー2戦目の未勝利戦で5馬身差圧勝。続く重賞初挑戦、京都2歳Sでは3着に入った。勝ったシンエンペラーがのちにダービー3着、4着ダノンデサイルがダービーを勝ち、6着ディスペランツァがアーリントンC勝ち、8着コスモキュランダが皐月賞2着などメンバーレベルが極めて高かった一戦。サトノシュトラーセのポテンシャルも相当なレベルと考えていいだろう。しかし毎日杯6着、青葉賞4着と健闘はするもののクラシック本番に進出には至らず。ひと息入れてラジオNIKKEI賞で重賞初勝利を目指すこととなった。
5月末に帰厩し、当初はプール中心にケア。6月6日にCW単走で初時計を出したが、5F67秒0(仕掛け)と上々の数字を出している。2週前はドウデュースらとCW3頭併せを行い、2頭に遅れ入線。1週前もCW3頭併せを行い、ここでも2頭に届かず遅れ入線に終わっている。
【最終追い切り】負荷自体はしっかり掛かっており、総仕上げとなるレース当週は坂路単走の調整。全体的に重心が高い走りで登坂し、ラストの仕掛けにもスッとは反応せず、一本調子の走りに留まっていた。脚捌きそのものは軽快な部類も、迫力の面でどうも物足りない。
【見解】京都2歳S、青葉賞などの成績から能力はメンバー内最上位クラスだろう。しかし2週続けての併せ馬遅れは気になるところ。2週前は相手が悪かった感はあったが、1週前追いは騎乗したM.デムーロ騎手の判断があったにせよ追いついて欲しかったところだ。最終追いの動きも重心の高さが目立っており、攻め気配は強調しづらい。凡走の可能性は考えておくべきか。
総合評価「B」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。