【ラジオNIKKEI賞/追い切り診断】打倒サトノシュトラーセの一角に高評価「A」 宝塚記念2着馬と併せて動き“ハツラツ”

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第73回ラジオNIKKEI賞(30日/GIII、福島芝1800m)には、青葉賞は不利を受け人馬とも不完全燃焼のサトノシュトラーセ、ウイン×松岡騎手の鉄板コンビ・ウインマクシマム、先週GIジョッキーとなった菅原明良騎手が手綱を取るショーマンフリートが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ショーマンフリート」を取り上げる。

■ショーマンフリート

【中間調整】昨年9月に新馬戦を勝利するも、熱発などで体調面が整わず年内は休養。デビュー2戦目は年明けのシンザン記念で、5着と健闘する。春クラシック本番進出への分水嶺と言えた共同通信杯は、スタート後の不利があったにしても完敗の10着。ここからいったん重賞路線は見送り、自己条件へ回ることに。6頭立てで異様なスローとなった山藤賞はマイペースで逃げた馬を捕まえ切れずの2着に終わったが、続く東京芝1800m戦は正攻法から力強く抜け出し2勝目をゲット。立ち回りと機動力で勝ち切った印象があり、陣営はレース後すぐにラジオNIKKEI賞への進出を明言した。
短期放牧を挟んでの中間初時計でウッド3F37秒6(馬なり)、目標の馬をアオって先着とさっそくいい動きを披露。1週前追いではその週宝塚記念で2着に入ることとなる皐月賞馬ソールオリエンスと併せられ抜かせることなく併入と踏ん張ってみせた。
【最終追い切り】レース当週はウッドで2歳馬2頭を先に行かせて追走する3頭併せ。最内に進路を取った直線では脚力の違いで早々に抜け出したが、そこからフワりとすることなく、気持ちを維持して力強く伸び最先着とした。
【見解】2勝目が遠かった素質だが前走の勝利で吹っ切れた感があり、この中間の動きはハツラツ。陣営コメントにあるように、暑い時期がいいタイプなのかもしれない。1週前は新馬戦以来となるソールオリエンスとの併せ馬を“解禁”。体調を崩していた時期もあったようだが、現状ようやく本調子を取り戻してきたからこそだろう。福島向きのセンスの持ち主なだけに、上位進出は十分にありそう。
総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。