【ラジオNIKKEI賞/データ攻略】「連対率66%」条件発動の想定6人気以下 ひねることなく“素直に買える”理由は

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今週は福島競馬場でラジオNIKKEI賞(芝1800m)が行われる。過去にはフィエールマンなど秋のGI戦線を賑わせた馬も参戦しており、今後を占ううえでも楽しみなレースと言える。
ここでは、過去10年からミナデオロとショーマンフリートにフォーカスしたデータを取り上げる。

■ミナデオロに「2.2.0.2」の追い風

同世代がダービーを目指す戦いに身を投じるなか、未勝利脱出に注力していたミナデオロ。この時点で春のクラシック戦線は絶望的だったが、ダービーデーの裏開催で施行された白百合Sを制し一躍オープンクラスに駆け上がった。使い詰めのローテーションに自身初の重賞で今回は人気薄想定も、再度の激走を予感させるデータがこちら。
・前走芝1600~1800mで逃げ切り勝ち【2.2.0.2】
開幕週の馬場で施行されるラジオNIKKEI賞は逃げ馬有利のレース。その傾向を踏まえて前走脚質と距離を掛け算することで生まれた高好走率データだ。難解なハンデ戦にあって連対率66.6%は優秀な数字と言えるだろう。
ミナデオロについて補足すると、芝1800mの近3走はいずれも1分46秒台。良馬場施行年のラジオNIKKEI賞勝ち時計と酷似しており、間接的に馬場適性を証明しているのは大きなアドバンテージだ。同世代の新種牡馬・スワーヴリチャード産駒やアルアイン産駒が華々しいデビューを飾るなか、出遅れた感が否めないレイデオロ産駒。待望の重賞初Vはこの馬によってもたらされるのかもしれない。

■シリウスコルトに【0.0.0.3】の鬼門データ

その一方で、シリウスコルトは不安ありと言わざるを得ない。昨年は芙蓉Sを勝利しオープン入りをはたすと、弥生賞ではコスモキュランダ、シンエンペラーと春のクラシック戦線を賑わせた2頭相手に好走。ローカルのGIIIなら格上の存在と言いたいところだが、今回はローテーションが立ちはだかる。
・前走皐月賞かつ年明け以降芝1800m以下未経験【0.0.0.3】
該当馬は3頭と決して多くないが、ミライヘノツバサ、シュヴァリエローズ、ボーンディスウェイとのちのオープンクラス好走馬が揃って凡走。皐月賞を大目標とした稽古を重ねるなかで適性が2000mにシフトした結果、器用さとスピードが求められる開幕週の芝1800m適性が削がれてしまうのだろう。
夏の福島適性と実績から、上位人気が予想されるシリウスコルト。どこからでも入れる混戦ムードにあってノーマークは難しいとの戦前評価だが、上記データを踏まえると思い切って“消し”の選択肢も浮上する1頭と言える。

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。