伊ローマ南郊のサバウディア近くの村で農作業に従事する出稼ぎ労働者たち/Filippo Monteforte/AFP/Getty Images

(CNN)イタリア中部ラツィオ州の農場で働いていたインド人男性が、作業中に腕を切断するけがを負い、そのまま路上に放置されて数日後に死亡した。男性の死をきっかけとしてイタリアで働く外国人労働者の窮状に注目が集まり、労組や現地のインド人団体などが抗議運動を展開している。

CNN提携局SkyTG24の報道によると、サトナム・シンハさん(31)は17日、ローマの南東部ラティナ近郊の農場で作業中に右腕を失い、路上に放置されていた。

シンハさんは農場のプラスチック包装機に巻き込まれて腕を切断するけがを負い、数日後に死亡したと伝えられている。

国営放送RAIによると、シンハさんはトラクターが牽引(けんいん)するプラスチック包装機に巻き込まれて右腕を切断され、下肢を押しつぶされた。

シンハさんはそのままバンに積まれて自宅近くに放置され、切断された腕は野菜収集に残っていたという。

シンハさんは19日にローマ市内の病院で死亡した。

ロイター通信が検察の話として伝えたところによると、当局は農場経営者がけがをしたシンハさんを自宅近くに放置したとみて、過失致死などの疑いで捜査に乗り出した。

シンハさんは正規の契約も在留許可もない状態で、イタリアの同じ会社で2年前から働いていたという。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は哀悼の意を表し、20日の閣議でシンハさんの死を強く批判。「こうした非人道的な行為はイタリア人のものではない。このような蛮行には厳罰を望む」と強調した。