終始ペースを握ったスペイン、堅守イタリアをこじ開ける! 2連勝で“死の組”首位通過決定

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 EURO2024・グループB第2節が20日に行われ、スペイン代表イタリア代表が対戦した。

 “死の組”で白星スタートを切った両チームが、グループ突破“第一号”の座を懸けて激突する。スペイン代表は15日に行われた大会初陣で、クロアチア代表と対戦。前半半ばにアルバロ・モラタの得点で先手を取ると、ファビアン・ルイス、ダニエル・カルバハルが追加点を挙げ、注目の強豪対決を3−0で制していた。

 対するイタリア代表は、15日のアルバニア代表戦で、キックオフからおよそ23秒に“大会最速弾”で先制を許したものの、直後にセットプレーからアレッサンドロ・バストーニが同点ゴールをゲット。16分にはニコロ・バレッラのミドルシュートで逆転に成功し、終わってみれば2−1で勝利。初陣を白星で飾っていた。

 スペイン代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、クロアチア代表戦のスターティングメンバーを基本としつつも、イタリア代表戦に向けて1名を変更。左センターバックに入っていたナチョ・フェルナンデスに代わって、合流が遅れていたアイメリク・ラポルテが満を持して先発に並んだ。一方、イタリア代表を率いるルチアーノ・スパレッティ監督は、アルバニア代表戦とまったく同じ顔ぶれをスタメンにチョイス。リッカルド・カラフィオーリ、ジョルジーニョ、フェデリコ・キエーザらが先発に入った。

 試合は立ち上がりからスペイン代表が主導権を握る。両ウイングの突破力を活かしながらゴールへ迫る場面が目立ち、開始2分には左サイドを縦に破ったニコ・ウィリアムズのクロスボールから、中央へ飛び込んだペドリが頭で合わせたものの、GKジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブに阻まれる。10分には左サイドに流れたモラタが右足でクロスボールを送ると、中央へ走り込んだニコがヘディングシュートを放つも、わずかに枠を外れる。

 対するイタリア代表は、まずは守備から試合に入り、サイドを破られても中央を固めてスペイン代表の攻撃を凌いでいく。13分には自陣から細かくボールを繋いで前進し、ジョルジーニョの浮き球パスでジャンルカ・スカマッカが背後へ抜け出すも、ここはカバーへ来たラポルテに阻まれ、フィニッシュまでは持ち込めない。

 基本的に前半はスペイン代表のペースで進み、24分にはラミン・ヤマルがドリブルで中央を切り裂くと、ボールを引き取ったモラタがボックス右から右足を振り抜いたが、ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォが最後までコースを限定したことで、GKドンナルンマに防がれる。直後には前からのプレスでボールを回収すると、敵陣中央で前を向いたファビアン・ルイスが左足一閃。強烈なミドルシュートは枠を捉えたが、GKドンナルンマの牙城は崩せない。

 守勢に回らされたイタリア代表だったが、前半終了間際には自陣でボールを奪ったところから、パスを繋いでカウンターへ転じる。スカマッカのポストプレーからロレンツォ・ペッレグリーニが前線へ浮き球のボールを供給すると、バレッラが右サイドへ散らし、最後はキエーザが思い切り良く右足シュート。この試合初と言えるようなチャンスシーンだったが、シュートは枠を外れた。

 後半も立ち上がりからスペイン代表がボールを握る。52分には左ニアゾーンに侵入したククレジャがニコからのスルーパスを引き出し、マイナスへ折り返すと、フリーになっていたペドリがダイレクトで合わせたが、ここもゴール左へと外れる。

 スペイン代表が敵陣へ押し込み続ける後半立ち上がりとなると、55分には遂に均衡が破れる。左サイドでロドリからサイドチェンジのボールを受けたククレジャが、シンプルに左斜め前へ預けると、パスを受けたニコは切り返しから左サイドを縦へ突破。GKと最終ラインの間に低弾道のクロスボールを入れると、ニアサイドでモラタ、さらにはGKドンナルンマが触ったことで、若干軌道が変わり、最後はカラフィオーリのひざに当たってゴールへ吸い込まれる。この日再三チャンスを作っていた左サイドから得点が生まれ、“ラ・ロハ”が先手を取った。