【MLB】ドジャース3−0ロイヤルズ(6月16日・日本時間17日/ロサンゼルス)

 そんなに悪い球じゃなかったのに…。思わず首を傾げるのも無理はないかもしれない。ドジャース大谷翔平投手が「2番・DH」で先発出場すると、3回の第2打席には4試合ぶりの18号ソロを左中間スタンド上段に叩き込んだ。さらに6回の第3打席は内角低めの変化球をすくい上げるように打ち放ち、ライトへ2打席連発の19号ソロ。あまりにうまく打たれたからか、ロイヤルズの捕手も不思議そうに首を傾げてしまった。

【映像】大谷に2連発を打たれて首を傾げる相手捕手

 3回に打たれたホームランは失投に近かった。先発シンガーはスライダーとシンカーの2球種で配球のほとんどを組み立てるタイプ。3回に打たれたシンカーは真ん中やや低めと、大谷がほどよく腕が伸ばせるところで、バットの真芯で捉えると、打球は左中間スタンド上段に届く137メートル弾になった。

 6回はそれほど甘い球でもなかった。もう1つの柱であるスライダーを膝元近くに投げ込んだが、わずかに真ん中よりに入ったところを、大谷はゴルフスイングでもするかのように豪快にすくい上げると、打球は39度という高い角度で飛び出し、そのまま右中間スタンドへ。膝元近くに曲がり落ちていくスライダーは、大谷が苦手とするコース、球種の1つでもあっただけに、データ通りの攻めが通じなかったというシーンだ。

 表情を変えず、颯爽とダイヤモンドを1周してきた大谷が、まもなく本塁に到着しようかという瞬間、ロイヤルズの捕手フェルミンは「なんでかなぁ…」とでも言うように首を傾げるリアクション。第4打席にも、もう少しうまく捉えれば3発目というセンターフライでもあっただけに、この日の大谷が相手では、どれだけ配球を考えても抑える手立てがなかったかもしれない。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)