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健康維持やダイエットのため、今年こそランニングを始めようかなと思っている人もいるかもしれません。ランニングは、時間と場所を選ばずに楽しめる手軽な運動ですが、ケガの予防や快適さを考えるなら、シューズだけは機能性に優れたものを選びたいところです。

ビギナーランナーでも安心して履くことができ、多くの人の足や走り方にフィットするのが各社の定番モデル。着地衝撃を緩衝するクッション性、ブレやグラつきを抑える安定性、足とシューズを一体化するホールド力、ソフトで快適なフィット感などをバランス良く備えています。

抜群のバランスを誇るNIKEの「ペガサスシリーズ」

Photo: 神津文人
「ナイキ ペガサス 41」16,500円(税込)

トップアスリートから市民ランナーまで。大会に行くと多くのランナーがレースシューズとしてNIKE(ナイキ)のシューズを選んでいるのを目にしますが、そんなNIKEを代表する定番が「ナイキ ペガサス」シリーズです。

“あらゆるランナーのためのシューズ”として、「ナイキ ペガサス」の初代モデルが登場したのは1983年。40年以上の歴史を持つ超ロングセラーで、今回試したのは、2024年6月5日に発売される最新作「ナイキ ペガサス 41」(ウィメンズはこちら)です。

「39」から「40」へのアップデートの際は、ソール部分は継承され、アッパーのみが変更されたマイナーチェンジでしたが、「41」は前作からミッドソールの素材や厚さが変更されています。フルモデルチェンジと呼べるようなアップデートと言えるでしょう。

ミッドソールにはナイキ リアクトX フォームを採用。ソールの厚さは前作から4mm増しています。

ミッドソールに採用されたのは「ナイキ リアクトX フォーム」。NIKEのイノベーションチームが、NSRL(Nike Sports research Lab)で5年以上を費やして開発した素材で、「ナイキ ペガサス 40」に採用されていた「ナイキ リアクト フォーム」と比べて、エネルギーリターンが13%向上し、ミッドソール製造による炭素排出量は43%削減されているそうです。

過去最高の安定性を極めた理由

ミッドソール内部にズーム エア ユニットを搭載。心地好い反発が得られます。

そして、ミッドソールの内部、前足部とかかと部にはズーム エア ユニットが搭載されています。ズーム エア ユニットとは、高圧のエアバッグ内にきつく伸ばされた伸張性の高い特殊な繊維を閉じ込めたもの。ランニング時に、足が地面に着地すると、その繊維が圧縮されて衝撃を緩衝。そして、瞬間的に元の形状に復元することでエネルギーリターンを生み、前方へ進むのをサポートしてくれます。「37」や「38」では、前足部のみにズーム エア ユニットが搭載されていましたが、「39」からヒール部にも搭載。ズーム エア ユニット特有の反発感は、近年の「ナイキ ペガサス」の特徴だと言えますね。

ソール底面の面積がアップ。安定性も確保されています。

スタックハイトとも呼ばれるソールの厚さは、前作から4mm増し、前足部が27mm、踵部が37mmに。前足部と踵部の高低差、いわゆるオフセットは10mmです。一般的に柔らかな素材を使ったミッドソールの厚みが増すと、安定性は低下するのですが、「ナイキ ペガサス 41」は、ソール底面の面積を広げることで安定性をキープしています。バランスの良さが「ナイキ ペガサス」シリーズの魅力ですから、その辺りはしっかり配慮されています。

実際に足を入れて走ってみると、前作からクッション性が増していることがすぐに体感できます。ミッドソールのボリュームが増した影響が大きそうです。オフセットは「40」から変更がないのですが、前方への重心移動がよりスムーズにできるようになった感覚があります。おそらく、ナイキ リアクトX フォームのエネルギーリターンの高さのおかげでしょう。かなり気持ちよく走れます。

安定性確保のために、ソール底面の面積が広がっているのですが、特に前足部はその影響が強く感じられ、蹴り出し時の安定感は前作以上な気がします。

筆者は「ナイキ ペガサス 39」と「ナイキ ペガサス 40」が好きで良く履いていたのですが、今作はお世辞抜きにそれを上回る走り心地でした。

シューズの重量はメンズ28cmで約297g。前作より約9g重くなっています。重量が増したのは、ソールの厚さが増したことと、ソール底面の面積が増えたことが要因ですが、大きなエネルギーリターンが得られるので、走っていると重くなった感覚はないというか、むしろ軽くなったような印象を受けます。

ソールが分厚くなったにも関わらず、約9g増で抑えることができたのは、アッパーのメッシュを改良した効果が大きいとのこと。同時に通気性も増しているそうです。汗の量が増える夏場も安心ですね。

フィット感も抜かりなし

ヒールカウンターが大きくなり、ホールド感が増しています。

ラスト(足型)は前作から変わっていませんが、かかとをホールドするためのヒールカウンターが大きくなったそうです。前作以上に足抜けしにくく、足とシューズの一体感が感じられる設計になったというわけですね。

ランニングへのモチベーションを保つためにシューズは大きな役割を果たしてくれる、と個人的には思っています。クッション性と安定性をハイレベルで両立したシューズを履けば、膝や腰への余計な負担が減りますし、エネルギーリターンに優れたシューズを履くと、軽やかに走ることができます。体へのダメージが少なく、軽やかに走れれば、また走ろうと思えるはず。

「ナイキ ペガサス 41」は、ランニングシューズに必要とされる機能をバランスよく備えた万能なシューズです。進化を続けるロングセラーは伊達ではありません。

Photo: 神津文人

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