EPOSから「真のブックシェルフスピーカ」。設置場所に応じてトーンバランス調整
「ES-7N」(ホワイト/WHT)
タクトシュトックは、EPOSブランドのブックシェルフスピーカー「ES-7N」を、5月15日に発売する。価格はオープンプライス、店頭予想価格は418,000円/ペア。仕上げはブラック(BLK)、ホワイト(WHT)、ウォールナット(WNA)。
現代のブックシェルフスピーカーは性能を追い求めるばかりで、「名ばかりで“本棚”スピーカーではなくなっている」と指摘。ES-7Nは、背面にトーンバランスを変えるためのクロスオーバー・スイッチを搭載しており、上にすると壁から30~50cmほど距離を取ってセッティングするのに、下にするとテレビ台などに置いて壁際に設置する場合や本棚の中に置いて使うのに最適とのこと。
このクロスオーバー・スイッチにより、「どこに設置しても最良の結果を見つける事ができる、さまざまな部屋で最良のバランスで鳴らせる、まさに真のブックシェルフ・スピーカー」だという。
ALR/JORDANでロングセラーとなった”Entry S”や Classic 2”などに変わる現代の技術を注ぎ込んだというモデル。28mm径のアルミ/セラミックドームツイーターと、130mm径のインジェクションモールド・ポリプロピレン・コーンミッド/バスドライバーを搭載した2ウェイ・バスレフ型となる。
ツイーターはブックシェルフスピーカー「ES14N」のために設計されたオリジナルをそのまま採用。アルミニウム合金ドームをセラミックでコーティングすることで剛性を高め、ファブリック・サラウンドと特殊形状のコントロールリングを採用することで、共振ピークは約30kHzを実現している。マグネットにはフェライトマグネットを使っている。
ツイーターの金属プレートは、バッフル面とのエネルギー伝達を低減するために、ネジ周りの4点のみがキャビネットに接触する構造。安定した温度と低コンプレッションを実現するために、ギャップにはフェロフルイド(磁性流体)は使っていない。
一方のミッド/バスドライバーは、ES-7Nのために新設計されたもの。特殊な形状になるよう、射出成形を行ない、ポリプロピレンに10%のマイカを混ぜることで、理想的な剛性を実現した。低ヒステリシスのラバー・サラウンドとノーメックス・スパイダーにより、非常にリニアな動きを獲得したとのこと。
30mmのボイスコイルは非金属のTILフォーマー(TIL:グラスファイバー/エポキシレジン混合物)製で、インピーダンス・コントロールリングを備えたマグネット・システムによって歪と相互変調を最小限に抑える。
ダブルマグネットが磁界を補正し、コイル力を強化することで「130mmというサイズからは信じられない低域再生能力と、小型ウーファーにしか実現できないと実感できる瞬発力、そして音楽に活力を与えていると思えるような心地良い音色を兼ね備えており、ポリプロピレンという素材を再評価させるに違いない」という。
キャビネットには2×8mmのMDFパネルを使用し、間に特殊なダンピング層を挟むことでボックスの不要共振を制御。上部には木製ブロックが追加されており、ステレオイメージを最適化するという。キャビネットの静音化のために使われているのは1本のブレースのみ。「スピーカーのキャビネット容量が如何に大切かを理解した設計」だとする。
新開発のバスレフポートはフロントに搭載されており、中央に向かって曲がる特殊な形状と減衰のための通気孔を備えることで、中低域を適切に制御している。
レイアウトは左右非対称で、最適なパフォーマンスを発揮するようにツイーターは内側に設置されている。また底面には4mm径のインサートがあり、地面とアイソレートするために、専用シリコンゴム・スパイクが付属する。
クロスオーバーは上述のスイッチにより選択可能。フィルターにはPPコンデンサー、ポリエステル・コンデンサー、低損失電解コンデンサーが使用されてるが、そのほとんどは空芯で、重要な抵抗はすべて無誘導の特注部品が選別して使われているという。
レスポンス・カーブは、スピーカーを壁から距離をとって使用する場合(Semi free)または、壁際(On wall)で使用する場合の、どちらでも最適に再生されるよう調整されており、ボトムエンドのロールオフは、低周波数における部屋や壁のゲインに対応し、低音のブーミングを避けるためにフラットになっている。
能率はスイッチのポジションアップ(Semi free)時で約86dB、ポジションダウン(On wall)時で約89dB。再生周波数帯域は48Hz~25kHz(-6dB)、全高調波歪は0.2%THD@2.83V above 200Hz、クロスオーバーは2kHz。平均インピーダンスは4Ω、最低インピーダンスは3Ω@15kHz。
一般的なスピーカーターミナルは備えておらず、端子はドイツ製の4mmバナナソケットタイプで、内部の金属プレートにマウント。バナナプラグも付属する。
外形寸法は200×270×290mm(幅×奥行き×高さ)、重さは7.6kg/台。推奨スタンド高さは約700mm。
仕上げは全3種