Pentaconn初のイヤフォン「Scyne α01」。真鍮+プラチナめっき筐体
Pentaconn Scyne α01
日本ディックスは、Pentaconn earコネクタなどで知られるPentaconnブランドが手掛けた初のイヤフォン「Pentaconn Scyne α01」を5月7日に発売する。Scyne(サイン)シリーズの第1弾と位置づけられている。直販サイトでは132,000円で予約受付を開始している。
4.4mmバランス接続プラグ/ジャックからPentaconnブランドが始まり、Pentaconn earコネクタ、リケーブルシリーズ、金属コア内蔵イヤーピースCOREIRなどを手掛けているが、ブランド初のイヤフォンとしてScyne α01が開発された。
同梱物の全ての部材を、Pentaconnが開発設計。イヤフォン本体の設計から、ドライバーの選定とカスタム、筐体内部の形状、材質の選択、技術手法まで一貫してPentaconnが行なった。「日本の高品質ブランドとして培ってきた技術を集結し、長期間こだわって開発した」という。
モデル名のScyneは、Synergy(シナジー:相乗効果)が由来。組み合わせによって「部品個々の実力よりも大きな効果を生み出すこと」をテーマにしており、部材ひとつひとつを様々な材質や形状から組み合わせていき、その中から選んだ1つの組み合わせが「Scyne α01」になるという。
ダイナミック型ユニットを採用し、振動板にはLCPドームとLSR(液体シリコン)エッジの10.2mm径複合振動板を採用。音の歪みや付帯音、共振点でのピークを最小限に抑えるため、内部損失が高く、樹脂素材の中でも特に軽さと硬さを併せ持ったLCPドームを採用。エッジ部はさらに内部損失や耐久性にこだわり、柔らかくスムーズな動きを可能とするLSRエッジを採用している。これにより、「歪み感の少ないクリアでフラットな周波数特性を実現した」とのこと。
磁気回路には1.4T以上の磁束密度を持つ最高グレードのネオジムマグネットを採用。振動板の応答性(レスポンス)を高め、音の立ち上がりや余韻を正確に再現する。
イヤフォン内部の形状は、放出される音質に大きな変化を生み出すため、3Dプリンターを用いて様々な形状を試作。ドライバー前方(フロント)の内部形状は、定在波によって引き起こされる高域におけるピークやディップを抑え、伸びのある見通しの良い音場を目指した。
リアチャンバーの形状、容積も数多く検討。「組み合わせておよそ1,000通り以上のものから、目標とする音質へ近づけていった」という。
リアチャンバーを二重構造にすることで内部の空気圧を最適化。振動板の制動が最適化されることで、タイトな低音や高域の繊細な表現など、ドライバーユニットの持つ解像度を最大限に引き出している。
ETLと呼ばれる音響モジュールを設置し、チャンバー内部における反射波を適切に吸収・放射することにより振動板に対する影響を低減。歪みの少ないクリアなサウンドと自然な臨場感を実現する「HDSS」機能を搭載する。
PentaconnオリジナルのPC-Triple C線材を内部配線として使用。「全帯域に渡って解像度が高く、端正なキャラクターで、音質の底上げのために採用した」とのこと。
響きを改善するため、筐体の真鍮は成分構成から見直した。真鍮特有の深みのある豊潤な低域~中低域を残しつつ、クセが少なく籠り感の無くなるラインを見極めて選定している。
プラチナは婚約指輪など、アクセサリーに用いられる材料で、変色に強く長期間白い輝きを保つ金属。また金属アレルギーを考慮し、ニッケルフリー下地めっきを採用。物質特性としても硬質で不要な響きを抑える特徴を生かし、音質にも貢献できると採用した。
デザインは、金属切削物の硬質さや重厚さを意識させる塊のような形状により、高級感や所有欲を満たすことを目指し、加えて円や流線形を使用した丸みのあるデザインにより、上品さを演出。装着感を向上させるため、自然と耳にフィットするリングデザインや筐体の小型化も実現している。
ケーブルは着脱可能で、イヤフォン側はPentaconn earコネクタ、DAP側は4.4mm L型金メッキ5極プラグを採用した。再生可能周波数帯域は10Hz~22kHz。インピーダンスは16Ω。音圧感度は110dB。重量は片側約8.6g。
イヤーピースは「Pentaconn COREIR -AL ALLOY-」(S/MS/M/L)、シリコーン製イヤーピース(S/M/L)も付属。イアフォンケースやクリーニングクロスも同梱する。