今回はビックカメラ赤坂見附駅店を訪ね、プロジェクターの売れ筋を取材しました。

売り場には、家庭のリビングをイメージしたミニチュアなどが多数並び、ホームユースでの楽しみ方を伝える工夫が随所に見られました。同店のビジュアルコーナーを担当する鳥毛一弥氏は「少し前までは会社や学校で使うためということが多かったのですが、ここ1〜2年くらいはおうちで動画配信やネット動画を楽しむために購入される方が増えています」と言います。

ビックカメラ赤坂見附駅店のプロジェクター売り場。ビジュアルコーナー担当の鳥毛一弥氏に案内してもらった

ホームユースの需要が急増しているプロジェクターは、多数の人気モデルがしのぎを削っている状況です。下の「ホームプロジェクター導入 3つのポイント」を踏まえて、直近の売れ筋ランキングを追いかけていきましょう。

○<ホームプロジェクター導入 3つのポイント>

まずは置き場所をイメージしたい。リビングと寝室、ワンルームなどで必要な解像度や明るさが変わる。

投影スペースも具体的に把握しておきたい。短距離でも4K&大画面が実現できる製品もある。

プロジェクターの性能を引き出すならスクリーンの購入も検討したい。あとから買うのもアリ。

※本文と写真で掲載している価格は、2024年4月15日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:バッテリー搭載のフルHDモデル「Nebula Capsule 3」

一番人気に挙げられたのは、アンカー・ジャパン(Anker)の「Nebula Capsule 3」でした。フルHD(1920×1080ドット)の解像度で、投影サイズは120インチまで対応します。OSにはGoogle TVを採用し、取材時の価格は69,990円でした。

「Google TVで大画面が楽しめるプロジェクターですが、約2.5時間投影できるバッテリーを内蔵しているので、いろいろと持ち運んで使える利点もあります。キャンプで使ったり、リビングや寝室で使ったりと、ファミリーからおひとりさままで幅広く売れていますね」

アンカー・ジャパン「Nebula Capsule 3」

第2位:天井の照明ソケットに固定できる「Aladdin X2 Plus」

続く2位は、アラジンエックス(Aladdin X)の「Aladdin X2 Plus」でした。一般的な家庭用照明器具の取り付けソケットに固定できる室内照明一体型のプロジェクターで、1m以下の投影距離にも対応する専用の短焦点レンズを採用しています。解像度はフルHDで、OSはAndroid 9.0。取材時の価格は129,800円でした。

「天井からの投影になるので、遮蔽物を気にせず設置しやすいメリットがあります。普通に室内照明としても使えて、距離によっては120インチの大画面も映し出せるということで、ファミリー層を中心によく売れています」

アラジンエックス「Aladdin X2 Plus」

第3位:ひとり鑑賞用に人気の「Nebula Astro」

3位には、アンカー・ジャパンの球状プロジェクター「Nebula Astro」がランクインしました。約380gとコンパクトで、一般的なカメラ用三脚などに固定して使えます。OSはAndroid 7.1、解像度は854×480ドットとなります。取材時の価格は34,990円でした。

「とてもコンパクトで天井にも投影できるので、ベッドでも使えます。気軽に手を出しやすい価格帯ということもあって、自分用のプロジェクターとして買っていく人が多いですね」

アンカー・ジャパン「Nebula Astro」

第4位:壁際に置いて大画面が楽しめる「Aladdin Marca」

4位には、アラジンエックスの「Aladdin Marca」が挙げられました。投影距離24cmで100インチの画面が表示できる超短焦点プロジェクターで、解像度はフルHDとなります。独自OSのAladdin OSを採用し、取材時の価格は149,800円でした。

「独自OSで、ヘルスケア用のタイマーや壁時計、お子さまの読み聞かせ用の絵本など、独自のメニューが充実していますね。壁際に設置できるので、遮蔽物を気にする必要もありません。超短焦点でもこの価格に抑えているということで、安定した人気がありますね」

アラジンエックス「Aladdin Marca」

壁際で大画面を投影している様子

第5位:200インチまで対応する4Kプロジェクター「Horizon Pro」

5位に挙げられたのは、エクスジミー(XGIMI)の「Horizon Pro」でした。4K(3840×2160ドット)の高解像度で、投影サイズは40〜200インチまで対応します。OSにはAndroid TVを採用しており、取材時の価格は187,900円でした。

「テレビの代わりにリビングに置くという人も多い製品ですね。スピーカーも8W×2を積んでいるので、映像に負けない迫力で表現してくれます。高価な製品になりますが、やはり4Kでしか表現できないところもあるので売れているのかなと思います」

エクスジミー「Horizon Pro」

はみ出し情報…バッテリー内蔵で天井投影にも向く「GV31-JP」も注目

売れ筋トップ5以外で、鳥毛氏が注目している製品も挙げてもらいました。選ばれたのは、ベンキュージャパン(BenQ)の「GV31-JP」。Android TVとバッテリーを内蔵したフルHDモデルで、壁投影と天井投影がムスーズに切り替えられる車輪状のデザインをしています。取材時の価格は119,000円でした。

「付属のスタンドに乗せたまま、普段は壁に投影し、寝るときなどは天井に投影、という使い方がスムーズにできます。バッテリーを内蔵しているので、電源が確保しづらい寝室でも手軽に使えるのがいいですね」

ベンキュージャパン「GV31-JP」

天井投影にしているところ

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら