米野生動物センターの職員が「キツネの被り物」をかぶる切実な理由
キツネの被り物をかぶった人物が、手のひらサイズの小さな動物にミルクを与えている……。一見すると、ジョークかと思うようなこの光景。でも、キツネになったこの人物は真剣でした。
この写真と動画が撮影されたのは、米バージニア州にあるリッチモンド・野生動物センター。ミルクを与えてもらっていたのはアカギツネの赤ちゃんで、キツネの被り物をかぶっていたのは同センターのエグゼクティブ・ディレクターです。
変装の理由は、アカギツネの赤ちゃんに母ギツネからミルクをもらっていると思わせるため。この赤ちゃんギツネは先日、地域の路地で発見され、同センターまで届けられました。発見当時はへその緒が付いたままで、生まれて24時間以内の状態だったとみられています。
センターでは当初、赤ちゃんギツネを母ギツネのもとに返そうとしたのですが、母ギツネの巣穴は見つかったものの、どうやら猟師の罠にはまってしまったようで、姿が見えませんでした。
そこで同センターでは、母ギツネになりきって、この赤ちゃんギツネが人間慣れしないように、人間の生活音もできるだけしないような環境で育てているのです。
目標は、この赤ちゃんギツネを野生に戻すこと。同センターの職員が母ギツネになりきって世話するのは、赤ちゃんギツネが自分をキツネだと認識して、野生で生き残ってもらうためとのことです。
【主な参考記事】
Khon2. Staff at a Virginia wildlife center pretend to be red foxes as they care for an orphaned kit. March 12 2024