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●テレビにも取り上げられた京都の町中華『中華処 楊』の「中華風カツ丼」とは? どんな一皿なのか食べてみた。

 牛丼や天丼に親子丼など色々な種類があって、それぞれに人気がある丼料理の中でも、抜群の人気を誇るのが「カツ丼」です。

 カツ丼の別バージョンというとソースカツ丼などが有名ですが、京都には少し変わったバリエーションのカツ丼があるという情報をゲット。どんな料理か気になったので実際に食べに行ってきました。

初めて聞くけど絶対の美味しい中華風のカツ丼

看板が逆文字!?

 噂のカツ丼を食べるべく今回やって来たのは、京都の大宮。阪急の大宮駅を下りてすぐの場所にあるこちらがお店なのですが、予想とかなり違う雰囲気。

 カツ丼というと専門店か、そばとうどんのお店で食べるのが定番ですが、目当ての『中華処 楊(ヤン)』は中華料理屋で美味しそうな町中華という雰囲気が漂っています。

 店頭のメニューを確認すると、確かにカツ丼の文字。そう今回の少し変わったカツ丼というのは中華風のカツ丼。初めて聞くアレンジで想像が付きません。

 お店の人に中華風カツ丼を注文すると、ごく当たり前に通ったので、このお店での人気の高さが伺えます。

アツアツでトロトロな中華風カツ丼を実食!

「中華風カツ丼」950円

 しばらくすると料理が到着。こちらが「中華風カツ丼」となっています。中華の丼ということで、中華丼的に八宝菜の具材が乗っているパターンかと思ったのですが、見た目は思いのほかシンプル。

 観察してみると、天津飯のようにスープ状の餡がたっぷりと入っています。またトロっとした餡によってアツアツの状態が保たれていて、湯気が立ち上っています。

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 まずは餡からいただきます。一口飲んでみると確かに中華風味ではあるものの、けっこう甘めのいわゆる丼ダシの味、かと思うと、やはり中華の風味をしっかり感じるという不思議なお味。

 そこに入っているカツは中華風というわけではなく、ノーマルなサックリとしたカツ。中華餡との相性を邪魔しない存在となっています。

 ありそうだけどない、それでいて初めてなのにしみじみおいしく懐かしい。人気の一品なのも納得です。

味変の調味料で味わいがガラっと変化する

 この中華風カツ丼には山椒が乗っています。和風のカツ丼でも山椒は定番の味変アイテムですが、こちらは中華山椒の花椒(ホアジャオ)。

 山椒の掛かった部分を食べるとピリッという刺激と共に、中華風味が際立ちます。ただし辛み成分はないので麻婆豆腐のようなシビ辛というわけでは特にありません。

 さらに提供時にお店の人から「辛いのがお好きなら」と渡される唐辛子調味料を加えると、中華山椒との組み合わせで一気に表情が一変。急に四川の様相となります。

 もともと甘めの味付けだった餡が四川風に変身するので甘さから辛さへの変化度合いはかなり高め。個人的には唐辛子調味料を満遍なく加えるのではなく、あえて不均一に追加。甘い部分と四川な部分を混在させて、甘いと辛いを行ったり来たりして食べるのをオススメします。

まとめ

 モクモクと湯気をまとった汁っ気たっぷりの「中華風カツ丼」は、京都の冬メニューにベストマッチ。今回は中華風かつ丼だけ食べましたが、鮑ラーメンや皮付きチャーシューなど、おいしそうなメニューがほかにもラインナップされているので、色んな場面でのランチにもピッタリなお店となっています。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

中華処 楊(チュウカドコロ ヤン)

住:京都府京都市下京区柏屋町14
TEL:075-211-1333
営:11:00~20:00
休:水曜