アジアカップ日本代表【写真:ロイター】

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ドラゴン久保のアジアカップ・日本―インドネシア戦分析第3回

 サッカー・アジアカップカタール大会は24日、グループリーグ第3戦で世界ランク17位の日本が同146位のインドネシアに3-1で快勝し、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が今大会も東京・中目黒のTHE ANSWER編集部に来訪し、試合を分析した。全3回の第3回。この日の試合は「何もない、見たまんまよ」と順当な結果と受け止めながら、相手が強くなる決勝トーナメントのポイントに言及。ノックアウトステージで期待する選手を「アイツかな。ほら、金髪で男前の……」とドラゴン流で名前を挙げた。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 今日は何もないね、見たまんまの試合よ。ちゃんとすればね。

 ただイラクにもね、ちゃんとしてあれ(敗戦)やけん。やっぱ簡単じゃない。で、次に韓国の可能性が高いんやろ。簡単じゃないよ。韓国に堂安、久保が何ができるか。今日みたいなことは(ステージが)下やったらできるけど、上の段階のところでは難しいけんね。

 でも良いシミュレーションだったと思うね、イラクが。

 やっぱ、あの(敗戦した)イメージは絶対あると思うから。韓国戦もね、イラクみたいにはならんと思う。(高い強度の相手と)1回もうやっとるから。あれがなかったらね、ちょっとあれ(心配)やけど。でも、あれがなかったら韓国と(こんなに早く)当たらんけど。

 絶対、感覚は苦しくなると思う。

 今日みたいにひと呼吸を置いてからね、テンポが1個、2個、3個……自分の余裕があって(プレーできる)というのはないからね。ただ、前にやってるのと、中6日がどうなるかわからんけど、イラクの感じ忘れんと思うからね。やっぱり難しい。もう1個ギア上げんと。

 上田(の良さ)はやっぱシュートよね。今日もシュートで終わってたし。

 ただ、ああいう間合いでは打たせてくれんけんね。イラクのときは(出場時間が)短かったしね。選手としてはああいうの嫌やけんね。うずうずして。短すぎる。これで使ってくれっていうのも見せたけんね。どうなるか。イラク相手に何かやっていれば、別やったけど。

 だから、相手が韓国やったら(スタメンでは)出れんかもしれんよね。

「韓国戦はノーフォワードで行くかもしれん」

 ちょっと違う戦い方になるかもしれんな、勝つために。

 ノーフォワード(ストライカータイプを配置しない戦術)で行くかもしれん。浅野は途中からと思うけど。(先発は)前田かもしれん。(前線で)追って追ってからの後半。W杯のドイツ戦とかスペイン戦みたいな感じになるかもしれんね。

 決勝トーナメントで(起爆剤として)期待したいのはアイツかな。ほら、金髪で男前の……中村か。 

 中村が(2列目でほかの選手と)うまい具合に組み合わせられたらね。中村中心にはまだできんと思うけど。いいタイミングやし、いい場所におるし。南野よりは良いかも知れんね。(周りも)やりやすそうと俺は思った。

 シュート持ってるやん。その怖さがあるけん、相手が引っ張られてね、パスもちゃんとしたパスする、良いタイミングで。多分、(パスの)チョイスも多いと思う。

 だから(久保、堂安らがマークされる)決勝トーナメントでは楽しみよね。

■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo

 1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。森保監督(当時選手)とは7シーズンプレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。来月、初孫が誕生予定。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)