インドネシア戦に出場した鈴木彩艶【写真:ロイター】

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ドラゴン久保のアジアカップ・日本―インドネシア戦分析第2回

 サッカー・アジアカップカタール大会は24日、グループリーグ第3戦で世界ランク17位の日本が同146位のインドネシアに3-1で快勝し、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が今大会も東京・中目黒のTHE ANSWER編集部に来訪し、試合を分析した。全3回の第2回。グループリーグ3試合を振り返り、「心配」としてGK鈴木彩艶のパフォーマンスを挙げ、キーパー動作の課題を指摘。将来の正守護神として非凡なポテンシャルに期待し、「あれが直ればすごいGKになると思う」と大きな伸びしろを口にした。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 3試合やって、心配やったのはGKよね。でも、それはもうやるしかない。

 鈴木はしょうがないと思う。今日見て思ったのは、最後のところのパワーがないのかな。最後がふにゃーってなってるような気がするんよ。キャッチでも何でも。最後にガシって(強く)いくのがあれ(理想)やけど。(ボールが)見えすぎてるのかもしれんし、(理由は)わからん。

 足元はかなりうまいよ。トラップなんかめっちゃうまい。自分の思ったところに蹴れるのは今のGKなら当たり前かもしらんけど。

 見えすぎて最後の自分の思ったところに動かんのかな。守るに関してはね、繋ぐとかビルドアップとかは別やけど。最後のところが見えすぎて、触るのか触らんのか(迷いが生まれて)力が入っとらんのかな。あれだけ良い体してるのに、最後がふにゃふにゃというか。

 それは今、言ってもしょうがないし、気付いてどうするかよ。

(決勝トーナメントに)残って経験できるのもあれ(貴重)やし、あれが直ればすごいGKになると思うよ。この大会で、アジアで戦って一気に。森保さんも期待してるんじゃないの。森保さんは次のW杯で結果を残すことしか考えとらんと思う。だから、鈴木を伸ばすしかない。

 そういう可能性があるんやろ。じゃないと、3試合なんて使わんでしょう。

「遠藤も3試合出とるけど、やっぱ替えが効かんもんね」

 遠藤も3試合出とるけど、やっぱ替えが効かんもんね。

 久保は調子悪かったけど、上手かったね。(韓国戦でも)期待するのは久保と堂安。冨安と遠藤でボールを取って縦パスいいの入れて、絡んでいくっていうのがね。がちゃがちゃとなったところからのあれ(展開)やと思うけどな。ポストの上田に当てて、というのはまだできそうにないしな。

 だから、遠藤のイエローは(今後を見据えると)ちょっと痛いよね。(後半23分のプレーは)なんであれでイエローやったんやろな。

 次が韓国になったら、監督はクリンスマンか。あのドイツのあれやろ、FWやろ。でも、マテウスが監督やったらやばいけど、マテウスに韓国って最高にぴったりやん。もう昔ほどの(敵意むき出しのライバル関係)はないと思うけど。絶対面白い試合になると思うんよ。

 今回、日本はイラクのときは(10連勝中で)調子が良いと言う流れで、隙があった。でも、あれ(敗戦)があって引き締まっとると思うし、楽しみよね。

 そういう意味でも決勝トーナメントで楽しみなのが、アイツよね。ほら、あの金髪で男前の……。

(第3回に続く)

■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo

 1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。森保監督(当時選手)とは7シーズンプレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。来月、初孫が誕生予定。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)