巨人・大勢 (C) Kyodo News

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 救援防御率リーグワーストの3.81だった巨人は今オフ、トレードでソフトバンクから高橋礼と泉圭輔、オリックスから近藤大亮、現役ドラフトで馬場皐輔、新外国人投手として今季阪神で27試合に登板したカイル・ケラーを補強した。

 課題とするリリーフ陣の強化を図るべく、積極的な補強が目立ったが、来季巨人がV奪回する上で、勝ち試合を締める大勢が復活できるかどうかが重要になってくる。

 大勢はプロ1年目の昨季、抑え候補だったビエイラがオープン戦から不調だったこともあり、開幕からクローザーを任された。3月25日の中日との開幕戦、4−2の9回にマウンドに上がり、満塁のピンチを招きながらも、木下拓哉を156キロのストレートで投ゴロに仕留め、プロ初セーブをマーク。4月終了時点で11セーブをマークすると、その後もセーブを積み重ねていき、最終的には歴代新人最多タイの37セーブをあげる活躍で新人王を受賞。

 2年目の今季は今年3月に行われたWBC野球日本代表の一員として世界一に貢献すると、巨人に戻ってからも、4月2日の中日戦で3−2の9回に危なげなく三者凡退に打ち取り今季初セーブするなど、開幕から6試合連続無失点。5月に入ってから失点が目立つも、5月16日のヤクルト戦から6月1日のロッテ戦にかけて6試合連続セーブを挙げた。コンディション不良で6月30日に一軍登録抹消されると、9月16日に再昇格を果たしたが、不安定な投球で最終的には27試合に登板して、3勝0敗14セーブ、防御率4.50だった。

 今季の巨人のリリーフ陣は、守護神・大勢の前の7、8回で苦労し、直江大輔、田中千晴がそのポジションを掴んでいくかと思われたが長くは続かず。5月17日に中川皓太が一軍復帰し、8回・中川、9回・大勢の形ができつつあったが、6月30日に大勢が一軍登録を抹消した後は、さまざまな投手たちが勝ちパターンで登板したが思うな結果が出ず苦しんだ。

チームが勝利を積み重ねるためにも、“勝利の方程式”の確立が大事になってくるが、その中でもチームの勝利に直結する抑えを固定できるか、できないかで大きく変わってくる。それくらい重要なポジション。大勢がしっかりと抑えとして機能すれば、8回・中川、9回・大勢が固定でき、複数の投手で7回を務めることが可能になる。リリーフ陣の安定、大勢が復活すれば、2020年以来のリーグ優勝も見えてくる。