マダガスカル島は8000万年以上前に他の大陸から切り離されたために独自の進化を遂げており、マダガスカル島に生息する動植物の80%以上が固有種です。また、旧宗主国のフランスの影響を受けているため、町中では本格的なフレンチを楽しむ事も可能。これまで犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島、人よりホッキョクグマが多い世界最北の町などに弾丸現地取材してきた「ドメイン島巡り」の第40回目となる今回は、そんなマダガスカル島の魅力や食文化、動植物などの魅力を探ってきました。

ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。

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◆マダガスカルはどこにあるのか?

インド洋に浮かぶマダガスカル島は、アフリカ大陸東海岸から400km東のインド洋西端に位置しています。国土面積は日本の約1.6倍にあたる約59万平方kmで、世界で4番目に大きな島です。人口は約2892万人で、首都はアンタナナリボ。使用されている通貨はマダガスカル・アリアリ。公用語はマダガスカル語とフランス語です。日本との時差はマイナス6時間。

目次

◆日本から15時間半で行ける世界で4番目に大きい島

◆マダガスカル島にあるラーメン屋&日本料理店に行ってみた

◆市内散策ツアーから外されるマダガスカル島の市場といろいろ

◆マダガスカル島にしか生息していないキツネザルに会う

◆マダガスカル島の食事事情はこんな感じ

◆「.mg」のレジストリを訪問&街で見かけた「.mg」ドメイン

◆現地でのSIM購入&速度調査

◆日本から15時間半で行ける世界で4番目に大きい島

日本からマダガスカル島へは、レユニオン経由、エチオピア経由、モーリシャス経由、ヨハネスブルグ経由、パリ経由など多数のルートがありますが、今回はその中でも航空料金が安く所要時間の短いレユニオン経由で向かいました。羽田からアンタナナリボまでの所要時間は、羽田からバンコクまでが約6時間半、バンコクからレユニオンまでが約7時間半、レユニオンからマダガスカル島の首都アンタナナリボまでが、エールオーストラル航空、コルセール航空、マダガスカル航空のいずれかを利用して約1時間半の、合計約15時間半です。今回は日程の都合上、マダガスカルのリゾート地であるサント・マリー島を経由して、首都アンタナナリボへ向かいました。



1962年設立のマダガスカル航空はアフリカ近隣諸国、インド洋各島への路線が主体で、ヨーロッパへ行けるのは3路線のみ。プロペラ機で狭い機内ですが、レユニオンから経由地のサント・マリー島へ出発します。



1時間5分の短いフライトでしたが、機内食としてサンドイッチとチョコレートを出してもらえました。



サント・マリー島はマダガスカル島の北東部に位置する美しい島で、白い砂浜、ターコイズブルーの海、熱帯雨林があり、多くの野生動物が生息する人気のリゾート地です。



サント・マリー島に到着。



これからアンタナナリボ行きに乗り継ぐ乗客はトランジットの札を受け取ります。



入国審査の後に荷物を一度ピックアップし、新たに預け直す必要がありました。



アンタナナリボに向かうため再び同じプロペラ機に搭乗し、約1時間10分のフライト。しばらくすると、グリーンランド島、ニューギニア島、カリマンタン(ボルネオ)島に次いで世界で4番目に大きい島、マダガスカル島が見えてきました。



アンタナナリボに到着。まずは空港でユーロからマダガスカルアリアリに両替します。両替は窓口ではなく、専用の部屋がありました。



空港の出口でアンタナナリボ市街地への行き方を考えていたところ、タクシー運転手に声をかけられました。



声をかけてくれた男性の名前はハーリーさん。シャトルバスより安い20ユーロ(約3248円)でホテルまで行ってくれるとのことなのでお願いすることにします。ハーリーさんは誠実な人柄で、フランス語圏にも関わらず英語が堪能ということもあり、滞在した3日間ずっとお世話になりました。



空港から約30分でホテル「ibis Antananarivo Ankorondrano」に到着。ホテルの近くにはスーパーやレストランもありました。



ホテルの部屋はコンパクトですが、エアコン、テレビ、ミニバーなどの設備がある上、衛生面でも清潔で、無料Wi-Fiも使えました。



部屋からは市内が一望できます。起伏に富んだカラフルな街並みが特徴。マダガスカル島の電力網は十分に発達していないのでたまに停電しますが、それ以外は快適に過ごすことができました。



◆マダガスカル島にあるラーメン屋&日本料理店に行ってみた

マダガスカル島に本格的な豚骨ラーメン店があると聞いてタクシーで向かったのはFeima Hotel。このホテルの屋上にあるとのことです。



お店の名前は「TORA TO RYU」(虎と龍)。4階でエレベーターを降りて、階段で屋上に向かいます。



屋上に到着すると、おいしそうな匂いがしてきました。



日本語対応のメニューもあり。



まずは、三頭の馬の首がラベルにデザインされているマダガスカル島のビール「THB(Three Horses Beer)」(6000マダガスカルアリアリ/約195円)で乾杯します。



注文しておいた、黒ラーメン(1万9500マダガスカルアリアリ/約634円)、からあげ(9500マダガスカルアリアリ/約309円)、チャーシュー丼(1万3500マダガスカルアリアリ/約439円)、マダガスカルのコーラ「ワールドコーラ」(6000マダガスカルアリアリ/約195円)が到着。黒ラーメンの見た目は日本の豚骨ラーメンと変わりませんが、フランス産の小麦粉を仕入れて製麺しているそうです。



あっという間に完食。「日本にいなくてもおいしい豚骨ラーメンを食べられるのだなぁ」と感動しました。



店長であるマダガスカル人のヨラさんに話を聞いてみると、彼女は神戸市や尼崎市などで豚骨ラーメン店「虎と龍」などを運営する株式会社TDFで20日間の研修を受けてレシピや接客のノウハウなどを学び、TDFの系列店として2022年11月にお店をオープンしたとのこと。日本と変わらないラーメンが出てくるのも納得です。



翌日に向かったのは、日本人が経営する和食レストラン「SHIZUKU」。昼時に訪れたところ、店内は満席でした。



入口の近くには本日のランチメニューが書かれています。



ドメイン島巡りではほぼ毎回現地の寿司を食べているので、ここでも寿司ミックス(7万マダガスカルアリアリ/約2299円)を注文。どのネタもおいしかったです。



色鮮やかなカリフォルニアサーモンロール(9万8000マダガスカルアリアリ/約3187円)。



衣がサクサクの天丼(8万2000マダガスカルアリアリ/約2668円)。



昔ながらの醤油ラーメン(5万マダガスカルアリアリ/約1625円)。



餃子(2万3000マダガスカルアリアリ/約747円)。



そして、トンカツカレー(6万マダガスカルアリアリ/約1952円)。専門店が開けそうなくらい絶品でした。



オーナーの庄司さんは企業の専属料理人としてマダガスカル島に赴任後、独立してSHIZUKUを出店。既に6年もマダガスカル島で生活しているとのことでした。



◆市内散策ツアーから外されるマダガスカル島の市場といろいろ

この花はアフリカの桜ともいわれるジャカランダ。開花時期は10月末頃ですが、今回訪れた10月中旬から既に咲き始めていました。



坂や階段が多いアンタナナリボ。この階段を下りていくと市場があります。アンタニナレニナの庭園にある観光案内所「Office de tourisme」ではアンタナナリボ市内散策ツアーが実施されていますが、治安が良くないことを理由に市場を避けて通るそうです。というわけで、市場をちらっと見てみることにしました。



市場へ続く階段の両側に、切れ目なく露店が並んでいます。



市場に到着したところ、とても活気がありました。「外務省海外安全ホームページ」によると、マダガスカル島は最貧国のひとつで、以前から貧困に起因した強盗やスリ・ひったくりが多発しており、2020年以来の新型コロナウイルスの流行で貧困の状況は悪化。これに付随するように犯罪件数は増加し、治安は悪化傾向にあるとのことです。



すぐに市場を出て、車でマダガスカル島を巡ることにしました。



頭の上に物を載せて運ぶ女性たち。



シトロエン2CVのタクシー。シトロエン2CVはフランスのシトロエン社が1948年に発表した前輪駆動方式の乗用車です。現役で走っているシトロエン2CVを多く見かけました。



川で洗濯をして地面に洋服を干している様子。マダガスカル島の一般的な年収はおよそ540ドル(約7万6500円)で、洗濯機は安くても約300ドル(約4万2500円)なので、家庭に1台洗濯機を持つのは難しいそうです。



市街地から少し離れると露店の数が減ってきます。



人や車だけではなく犬、鶏、豚、牛、山羊が放し飼いにされていました。この牛は、労働力にも食料にもなるゼブ牛です。このまま、マダガスカル島の固有種であるキツネザルに会いに行くことにしました。



ドミニカ国と同じく、マダガスカル島にも信号機がありません。

信号機がないマダガスカル - YouTube

しばらく走ると田園風景が広がりました。マダガスカルの主食は日本と同じく米。「食事をとる」ことを「米を食べる(mihinam-bary)」と表現するほど米が生活に根付いています。1人当たりの年間米消費量は約120kgで、なんと日本人の2倍以上。



そういえば、和食レストラン「SHIZUKU」を出た後に会った地元の人々も、お米の入ったお弁当を食べていました。



◆マダガスカル島にしか生息していないキツネザルに会う

市内中心部から車を走らせること約1時間でレミューズパークに到着。ガイドブックには30分とありましたが、交通渋滞の影響で約2倍かかりました。



入場料は大人1名で7万マダガスカルアリアリ(約2299円)。料金を支払って中に入ります。



パーク内のガイドさんが英語で詳しく説明してくれています。



アメリカ、カナダ、ドイツなど様々な国の旅行者と一緒に園内をてくてく。



下の写真中央の細くて短い木はマダガスカルの象徴「バオバブ」の幼木です。



ガイドさんが立ち止まり、みんながカメラを向けたその先にキツネザルがいました。キツネザルは確認されている107種全てがマダガスカルにしか生息していない固有種です。



様々な種類のキツネザルがいます。仲良さそうに寄り添う姿が見られました。



カメラ目線でポーズを決めてくれました。檻もなく間近で見られるのは貴重な体験です。



動画で撮影したキツネザルたちを以下から見ることができます。

目の前を元気に飛び回るマダガスカルのキツネザル - YouTube

足が長いマダガスカルにしか生息していないキツネザル - YouTube

子育て中のマダガスカルのキツネザル - YouTube

レミューズパークでは9種類のキツネザルと、約70種類の植物を観ることができます。アンタナナリボ市内から車で1時間ほどなので、遠方の自然保護区に行く時間がない人にオススメです。



◆マダガスカル島の食事事情はこんな感じ

タクシー運転手のハーリーさんの紹介でフランス料理店「Hotel Restaurant La Varangue」へ。地元ではかなりの高級店のようで、お店の前にはクラシックカーが並んでいます。マダガスカル島は旧フランス領なので、アンタナナリボ市内ではフランス料理のレストランをたくさん見かけました。



さっそくドリンクと料理を注文。ドリンクはミネラルウォーター(1万マダガスカルアリアリ/約325円)と、ピニャコラーダ(1万マダガスカルアリアリ/約325円)、そして本日のカクテル(3万マダガスカルアリアリ/約975円)を2グラス。



床を見ると、日本製の蚊取り線香が置いてありました。夜は蚊が多いので助かります。



注文していた料理が到着。フォアグラのテリーヌ(6万マダガスカルアリアリ/約1954円)は盛りつけも美しく洗練されています。濃厚でコクがあり、本場フランスにも引けを取らない完成度です。



イカの温野菜サラダ(5万マダガスカルアリアリ/約1628円)は歯応えが良く味付けも絶妙。



シャロレー牛のステーキはなんと1万円超えの35万4000マダガスカルアリアリ(約1万1533円)でした。物価の安いマダガスカル島でもかなり高級なメニューなのではないでしょうか。



例外もありますが、比較的安くフランス料理を楽しめるのもマダガスカル島の魅力の1つと言えるかもしれません。

◆「.mg」のレジストリを訪問&街で見かけた「.mg」ドメイン

それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的です。

マダガスカル島に割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.mg」です。「.mg」ドメインを管理するレジストリはマダガスカル島にあるので、行ってみることにしました。



Radisson Hotelが入っている少し高級なショッピングモールの敷地内の建物で、「NIC MG」の文字を発見。ここの2階にレジストリがあるようです。



階段を上って入口に到着。



中にいたスタッフにドメイン島巡りという企画で日本から来たことを説明すると、快く招き入れてくれました。



英語が通じるか不安ながらも女性スタッフに話しかけてみたところ、なんと日本語で「こんにちは!」と返ってきました。彼女は日本のアニメが大好きで、アニメを通じて独学で日本語をマスターしたそう。話し方や仕草が完全に日本のオタク女子と同じで親近感が持てました。



街で見かけた「.mg」ドメインは以下のような感じ。

空港で見つけた、アンタナナリボとノシベの国際空港における静的および動的パネルの広告を管理するAEROPUBの広告。



オフィス用品を販売するLe Papetier。



レミューズパーク



掃除用品や衛生用品を販売するPROD'HYG。



世界最大の総合航空貨物輸送会社「FedEX」



◆現地でのSIM購入&速度調査

マダガスカル島ではeSIMのAiraloで「10GB Discover Global eSIM(59USドル/約8845円)」を購入して利用しました。



アンタナナリボで測定したところ9Mbpsで、高速とまではいきませんが利用に支障のないネット環境。ドメイン島巡りで訪れた他の島ではUbigiのeSIMを活用することも多いのですが、マダガスカル島では遅すぎて利用できませんでした。



というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能。

また、「マダガスカル島まで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能です。

ドメイン「.mg」の詳細や申し込みについては、以下のリンクから確認できます。

mgドメイン登録(マダガスカル)|世界のドメイン取得、コンサルティングならGonbei Domain(ゴンベエドメイン)



(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/

ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)