人気ゲーム「フォートナイト」などの開発元であるEpic Gamesは、AndroidのアプリストアであるGoogle Playにおける独占をめぐって、Googleを相手取った訴訟を起こしています。このEpic Games対Googleの裁判で、2023年12月11日にカリフォルニア州の裁判所が、Epic Gamesの訴えを認め、「Googleがアプリストアを通じて反競争的な市場を形成した」との判決を下しました。

epic-v-google-final-jury-verdict-form.pdf

(PDFファイル)https://s3.documentcloud.org/documents/24211364/epic-v-google-final-jury-verdict-form.pdf

Epic v Google Trial Verdict, a Win for All Developers - Epic Games

https://www.epicgames.com/site/en-US/news/epic-v-google-trial-verdict-a-win-for-all-developers



Epic win: Jury decides Google has illegal monopoly in app store fight - The Verge

https://www.theverge.com/23994174/epic-google-trial-jury-verdict-monopoly-google-play

Epic Games CEO says his company won in Google Play antitrust case | Reuters

https://www.reuters.com/legal/google-epic-games-face-off-app-antitrust-trial-nears-end-2023-12-11/

AppleやGoogleは自社アプリストアを介したアプリ購入やアプリ内課金に対し、15〜30%の手数料を徴収しています。これに反発したEpic Gamesは2020年8月、フォートナイトのモバイルアプリ版でアプリストアを経由しない決済方式を導入しました。しかし、これが規約違反であるとして各アプリストアからフォートナイトが削除される事態に発展しました。一方でこうしたモバイルOS側の反応を受けて、Epic GamesはAppleとGoogleに対して独占禁止法違反で訴訟を起こしました。

2023年11月から開かれているEpic Games対Googleの公判では、独占禁止法訴訟に関するさまざまな証言が行われていました。裁判の中でEpic Gamesは、Googleの独占禁止法違反を立証するため、Samsungの端末でGoogle Playのシェアを維持するために4年間で80億ドル(約1兆2000億円)を支払う契約を結んだことや、Activision BlizzardやRiot Gamesといった大手ゲーム企業に数億ドル(数百億円)を支払い、独自のアプリストアを開設しないように働きかけていたことを主張しています。

Epic Gamesが「Googleが510億円を支払って大手ゲーム企業の独自アプリストア開設を阻止していた」と主張 - GIGAZINE



また、一連の訴訟の中でGoogleは「証拠を隠滅」「複数回の虚偽の報告」を行ったとして、裁判所から制裁を課されています。

GoogleがEpic Gamesとの訴訟で「証拠を隠滅」「複数回の虚偽報告」をしていたとして裁判所から制裁を課される - GIGAZINE



1カ月以上にわたる裁判の末、2023年12月11日にカリフォルニア州連邦裁判所の陪審員は、Epic Gamesからの訴えを認め、GoogleがGoogle Playとその支払いサービスにおいて、違法な独占状態にあることを認定しました。Epic Gamesは「本日の評定は、世界中全てのアプリ開発者とユーザーにとっての勝利でもあります。今回の判決はGoogle Playでの慣行が違法であり、アプリを独占しているという立場から法外な手数料を徴収し、競争を抑圧することで、イノベーションを低下させていることを証明しています」と述べています。

一方で、今回の判決を受けてGoogleの総務・公共政策担当バイスプレジデントであるウィルソン・ホワイト氏は「Googleは今回の判決を不服として控訴する予定です。AndroidやGoogle Playは、他の主要なモバイルプラットフォームよりも多くの選択肢やオープン性を提供しています。Google Playはこれまで、AppleのApp Storeなどのアプリストアと激しい競争を行ってきました。私たちはこれからもAndroidのビジネスモデルを守り、ユーザーやパートナー、そしてより広範なAndroidエコシステムに深くコミットし続けます」と主張しました。