フォートナイトの開発元であるEpic Gamesは、Appleが運営するアプリストア・App Storeにおける慣行が独占禁止法に違反しているとして、法廷闘争を繰り広げています。Epic Gamesが独占禁止法に違反しているとして訴えているのはAppleだけではなく、スマートフォン向けアプリストアのGoogle Playを運営するGoogleに対しても、同様の訴訟を提起しています。2023年11月6日、カリフォルニア州北部地区の連邦地方裁判所でこの訴訟の公判が行われるのですが、この公判にはGoogleのスンダー・ピチャイCEOや、Androidの父として知られるアンディ・ルービン氏が証人として出廷する可能性があります。

The Epic v. Google witness list: Andy Rubin, Sundar Pichai, and more to testify - The Verge

https://www.theverge.com/2023/10/7/23907649/epic-v-google-antitrust-lawsuit-andy-rubin-sundar-pichai



Epic GamesはAppleが自社端末向けに運営するApp Storeや、GoogleがAndroid端末向けに運営するGoogle Playといったアプリストアがアプリ開発者から徴収する手数料が高額過ぎるとして、独占禁止法に違反しているとして両社に対して訴訟を提起しました。

この訴訟の中で、Epic Gamesは「Googleは大手ゲームパブリッシャーがGoogle Playを経由せずに『サイドローディング』でゲームを配布することを恐れていた」と主張しており、一部の開発者に対してはGoogle Playの販売収益の数%を還元するなど、反競争的な慣行を行ったと指摘しています。

GoogleがEpic Gamesに対して過剰に対策を行っていたのは他のパブリッシャーに「直接DL」手法が広まることを恐れていたため - GIGAZINE



また、Googleは大手ゲーム企業が独自のアプリストアを開設することを防ぐために、3年間で約510億円もの金銭を支払っていたともEpic Gamesは主張しています。

Epic Gamesが「Googleが510億円を支払って大手ゲーム企業の独自アプリストア開設を阻止していた」と主張 - GIGAZINE



なお、この訴訟の中でGoogleは「証拠を隠滅」「複数回の虚偽報告」をしていたとして、裁判所から制裁を課されています。

GoogleがEpic Gamesとの訴訟で「証拠を隠滅」「複数回の虚偽報告」をしていたとして裁判所から制裁を課される - GIGAZINE



この訴訟の公判が2023年11月6日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で始まります。同裁判所は10月5日(木)に、公判に呼ぶ予定の暫定証人リストを公表しました。このリストによると、Googleおよび親会社Alphabetのスンダー・ピチャイCEO、GoogleおよびAlphabetのルース・ポラットCFO、Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOが召喚される予定です。

また、召喚される可能性のある証人リストにはさらに53人が名を連ねており、ここにはAndroidの生みの親でEssentialの共同創設者のひとりとしても知られるアンディ・ルービン氏も含まれています。ルービン氏は2014年までGoogleに勤めていた人物ですが、セクシャルハラスメント疑惑を受けて同社を退社しました。報道によると、ルービン氏はGoogleの共同創業者であるラリー・ペイジ氏から、退職時に1億5000万ドル(約220億円)の株式報償を取締役会の承認を得ずに受け取っていたことが明らかになっています。

Googleは約170億円の株式報賞をセクハラ疑惑で辞任したアンディ・ルービンに取締役会を経ずに付与していた - GIGAZINE



by Robert Scoble

ただし、ルービン氏は「法廷に出廷する可能性のある証人リスト」に名を連ねているだけなので、証言台に立たない可能性も十分にあります。

この他、証人として裁判所に召喚される可能性のある人物には、Androidの共同創設者であり2013年にGoogleを去ったニック・シアーズ氏や、記事作成時点でもGoogleに勤めているリッチ・マイナー氏の名前もあります。

他にも、Googleから独自のアプリストアを開設しない代わりに金銭を受け取っていたとされるActivision Blizzardのアルミン・ゼルザCFOや、Googleを中心に世界中の通信キャリアや半導体メーカー、携帯端末メーカーなどが参加しているオープン・ハンドセット・アライアンスの元責任者であるエリック・チュウ氏などの名前も「法廷に出廷する可能性のある証人リスト」に含まれているそうです。

なお、公判に召喚される可能性のある証人リストは以下からチェックできます。

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